世界観詳細

 こちらはいわゆる「設定資料集」的なものであって、プレイに差し当たっては、あまり見る必要はありません。

アズ・リアルの歴史・解説

創生

 原初の刻。
 アルファの天(そら)の開闢。
 どうか、ここから、あなた達の輝ける物語(じんせい)を、見せてはくれませんか?――唯一なる真理(アレーティア)

時代:西暦2013年/0年
「世界観要約」にも示した通り、「Probability Sky RPG」の舞台となる世界《アズ・リアル》は、《確率の空》というシステムを与えられて、少女――空乃詩により創造された。
 ここでいう「世界」とは、「システムやキャラクターの容器」であり、"それらが具体的にどういった挙動をし得るのか"という点については、《確率の空》という概念的データベースが決定権を持つ。
 即ち、《確率の空》は、「容器」に対する「中身」である。
 《確率の空》とは、言い換えれば「神」――《唯一なる静穏(アタラクシア)》及び《唯一なる真理(アレーティア)》そのものであり、同じ世界でも、神が変われば内容は全く変わってくる。
 但し、《唯一なる静穏》は、《唯一なる真理》を生む存在に過ぎず、直接、世界の内容に影響を及ぼすことはないため、通常、「神」という存在としては意識されない。

 ともかく、この時、世界とともに、その世界の内容を決定する女神が生まれたのであった。
 なお、基本的に《唯一なる真理(アレーティア)》は人格を有するが、この時生まれた女神がどのような人物かは定かではない。

 同時に、《アズ・リアル》の対となる、"背中合わせの世界"、《偽世界》も同時に創造される。
 偽世界は、《アズ・リアル》とは別の世界であるが、いわゆる「結合双生児」のような関係であり、一部が繋がっているため、《確率の空》も一部共有している。

《断罪の日》

 あなたの罪で、他の罪を裁きなさい。――アンファング

 私は、憤怒する。
 あの人間に。あの感情に。あの組織に。あの社会に。あの世界に。あの時間に。私から未来を奪い、憎悪で出来た剣と化す事を強いた、全てに。
 どんなに愚かしい妬みよりも、どんなに醜い怠慢よりも、どんなに浅ましい快楽よりも、どんなに下らない傲慢よりも、どんなに忌まわしい過食よりも、どんなに甚だしい強欲よりも、私の憎悪の炎は強い。
 だから私は、私をこんな風にした奴らを、そして私の前に立ち塞がる者全てを、燃やし尽くす。――漆黒星華(うるしぐろ・ほしか)


時代:(以降、《アズ・リアル》における)西暦2025年
 はじめ、《アズ・リアル》には、《特異》《魔術》も存在しなかった。
 人々の脳に《逆流神経》が存在しないが故、魔術などというものはオカルトマニアの妄言でしかなかったし、異世界の概念が世界を壊すことも無い。
 《斑鳩法》や、気を用いた秘術などを用いる特殊血統――神領家は旧来から存在していたが、飽くまでそれだけである。
 そんな中、《アズ・リアル》と異なり、人々が《逆流神経》を有している為に魔術を使用出来る《偽世界》において試行され続けていた、「異世界に転移する魔術」を成功させた、偽世界人の少女――通称「アンファング」が、西暦1999年、《アズ・リアル》の《櫻岡市》に降り立つ。

 何者にも影響されず、自由に支配出来る世界を求めた彼女は、《アズ・リアル》で、自らを教祖であり、信仰対象たる「神」とする宗教団体、《新世創造会》――通称、新世会を設立した。
 新世会は、たったの25年で、20億人もの信者を抱える世界的宗教へと成長する。
 それは、魔術師であるアンファングが、自らの魔術を用いて、信者の一部に擬似的な《逆流神経》を構築することで、後天的な魔術師に仕立て上げる試みをしていたからである。
 多くの人々は、目の前で確かに常識を引き裂く、「正真正銘の奇蹟」に縋っていたのだ。

 ある日、アンファングは、「天才」とされる自身無しでも、偽世界人が異世界転位魔術を実行可能にしたことに気づく。
 彼らが、後述する事情により、《アズ・リアル》への侵略を企てていることを彼女は知っており、「自身の支配する世界」を守るために、彼女は、防衛魔術を構築する。
 これは、人間一人を媒体として、その力を最大限引き出すことによって、対異世界用防衛システムとして機能させるというもので、これを活用するために彼女は、「より強い者」の選定を行うことにした。

 彼女は、《アズ・リアル》で過ごしていく中で、「この世界の人々には、《魔術》とは異なる、別の力――《始原識》を発揮しうるポテンシャルを持っているのではないか」と考え、その特殊な素養が見受けられた七人の男女を招集した上で、力を発揮できるように、精神的なリミッターを解除する措置を行った。
 そして、七人を戦わせ、最後の一人をシステムの生贄にしようと考えたのだ。

 しかしアンファングは、七人のうちの一人であり、「死ぬまで憤怒に囚われ続ける」ことを対価として「怒りを破壊的エネルギーに変換する」、「憤怒」の始原識を持つ少女――漆黒星華が、能力で自らの死を殺したことによって、予期せぬ反逆を受ける。
 魔術では、「死を与えること」は出来ても、論理レベルで矛盾しており、絶対に起こり得ない「死んだのにも関わらず、死なないこと」は不可能であるから、魔術の天才であるアンファングといえど、それを予想出来なかったのである。
「世界で初めて、死を殺した少女」に、思わぬ攻撃を受けた彼女。
 そこに、異世界転移を実行した、数人の偽世界人が現れる。
 手痛いダメージを受けていたアンファングは、碌に抵抗も出来ず、彼らに確保され、偽世界に連行されていった。

 教祖が消えたことにより、《アズ・リアル》の社会は、新世会の支配から解き放たれた。
 一方で、アンファングの試みが失敗したということは、偽世界の侵略を受けるということも意味していた――。


偽世界戦争

 あっちの世界、偽世界《ぎせかい》はね、もう長くないんだよ。こっちと違って偽世界は荒廃した地ばかりでさ、常に食糧不足で資源不足なの。
 その癖、内戦ばっかりやっててさ。ホント馬鹿ばっかりで嫌になって見限ったから、こっちに来たの。――アンファング

 ”魔術”? ”識術”? ”戦争”? そんなのどうでもいいよっ! あんたが、あんたらみたいなのが居るから……!――アマリア・シュロスシュタット

時代:西暦2026年~
 偽世界。
 それは、《アズ・リアル》と異なり、住民が皆、生まれつき逆流神経を有しており、魔術が使用できる世界である。
 各地で、多様な儀式や呪術といった形で伝えられてきたそれらは、いつしか一つの汎用的体系に統合され、《識術》と呼ばれるようになった。
 即ち、偽世界において「魔術」とは、一般的には、識術を示す。
 このように、魔術と共に発展してきた偽世界人だが、代わりに、彼らには、物的資源が欠けていた。
 生成物減衰効果により、魔術を物的資源に引き換えることは不可能である。
 よって、人々は僅かな資源を奪い合う他ない為、魔術という「奇蹟」を有している筈の彼らの世界は、ひどく荒廃していた。

 そんな中、「別世界の存在」が予測されたことから、偽世界唯一の政府の中でも、過激派の者達――《征対派》は、「異なる世界に侵略し、支配することで、資源を確保出来るのではないか」という提案を行う。
 しかし、それに反対し、偽世界内での自己完結を説く《抵抗派》が現れたことで、偽世界での内戦が発生する。(アンファングが偽世界を脱出したのは、この時。)
 内戦は次第に《政対派》有利に傾き、彼らは、異世界――《アズ・リアル》の状況を確かめるため、偽世界統合政府の有する最高戦力である《狩猟者の剣》、V∴G∴を派遣し、アンファングを回収させた上で、彼らを筆頭に、魔術師達に強行偵察を行わせた。

 《アズ・リアル》では、かつてアンファングにより後天的な逆流神経を与えられた者達が抵抗していたが、「殺すための魔術」を極め続けてきた偽世界人によって、彼らを排除することなど、赤子の手を捻るも同然であった。
 しかし、死を殺せるほどの始原識を持つ漆黒星華、そして、偽世界内で《三柱(サード・オーダー)》と呼ばれていた、最高の識術師の三人のうちの一人である「イツキ」と同様の力を持つ少年、御神原逸月とその仲間が《アズ・リアル》側に立って戦ったことにより、形勢は彼らに傾く。
 やがて彼らは、元を断つ為に、自ら偽世界に乗り込む。
 逸月は、V∴G∴最強の戦力にしてサード・オーダーの一人である、アマリア・シュロスシュタットとの決戦を経て、偽世界統合政府を解体した上で、最後のサード・オーダーであり、かつてイツキの恋人でもあったアンファングと共に、偽世界ごと消滅した。


一意零霞事件

 自分の心に、自分の理屈に、自分の理想に素直になりなさいな。やりたいように、やりたいことをやるのが、生の至高の目的ですのよ――一意零霞

 今まであなたは逃げなかったのにッ! あなたなら、皆が救われる世界を創れるかも知れないのにッ!――サーシャ・フレイナート

時代:西暦2600年頃
 この時代、始原識の力は一般に認知されており、また、《理霊》と呼ばれる、感覚・心的機能の一部を分離する技術が一般化されていた。
 そして、本来は精神の分割・複製を行う技術であった《理霊》を指すものは変化し、人工の肉体に始源識を持った異能者の精神の部分的複製を載せることで生み出された、高い戦闘能力を持つ「生体兵器」を意味する言葉となった。
 一方で世界は、時折宇宙から出現しては地上に襲来する、正体不明の不可視存在――《対象》と呼ばれるモノ――の脅威に曝されていた。
 始源識を持つ異能者、そして、《対象》を討つ為の捨て駒として作られていった《理霊》の犠牲を重ねることで、辛うじて多くの人類が守られていたが、それがいつまでも続くと考えている者は居ない。
 そんな中、《理霊》と組んで史上最多の《対象》を撃破した英雄的女性、一意・零霞(いちい・れいか)が、政府への反逆行為を行い、研究中の時間遡行装置が搭載された宇宙ステーションを占拠する。
 政府はすぐに管理下の始源識能力者と《理霊》を向かわせ、最終的には、始源識による概念切断能力を持つ両性具有の少女/少年、東岸・弥月(とうぎし・やづき)および、彼女と協力している《理霊》の少女「ツルギ」が、一意霊霞と、彼女の《理霊》「克肖者デュナミス」を討った。
 しかし、「元・英雄を討った英雄」である弥月およびツルギを称える暇もなく、世界には大量の《対象》が出現。世界崩壊へのカウントダウンを急速に進めていった。

 詳細はフリーゲーム「Aurora Sky」を参照。



Cause shift

 終わりの天(そら)が堕ちて来る。それは、この世界の終焉。
 作戦は失敗。みんな死んじゃった。私も、もう……。
――ねえ、助けてよぉ! 見てるんでしょ……!?――サーシャ・Ⅴ・フレイナート

時代:西暦2600年頃
 世界は、大量に出現した《対象》によって破壊し尽くされ、既に、物理的に存在している領域は、《都市》と呼ばれる、一市街分しか残っていないという状況になっていた。
 しかし、《都市》の隔壁に穴が空き、《対象》が流入する。
 《都市》の管理者は、この穴を塞ぐための作戦「Cause shift」を立案し、十三人の始原識能力者を向かわせる。
 秘術による強力な再生能力を有する神領・Ⅱ・烈花や、概念切断能力を持つ東岸・XⅢ・弥月、経験継承能力により多様な技術を持つサーシャ・Ⅴ・フレイナートなどを筆頭に、全員が強力な異能者であるものの、無数に出現する《対象》には抗えず、やがて、計画の中核たる、「接合」の能力を持つ少女、シェリー・XI・アルシェンが殺されたことにより、作戦は失敗、世界が崩壊する。

約束

 素敵な世界だと思いませんか? 皆、頑張って生きている。でも、もはや全ては終わってしまったのです。――アレーティア

 私は、定理。私のうまれた理由は、きっと、あなたの為。――定理

時代:??年~西暦2600年頃
 《アズ・リアル》でもなく《偽世界》でもない、「どこでもないところ」で生まれた"それ"は、外側から、それらの世界を眺め続けていた。
 やがて"それ"は、《唯一なる静穏》と出会い、初めて「他者」を認識する。
「他者」を認識したことで「自身」を認識した"それ"――定理は、自身の存在理由を、彼女の為、即ち、世界の為だと理解する。
 《アズ・リアル》に降り立ち、観測者で在り続けた定理だが、「世界の為に存在する」以外の自覚を持たない彼女の能力は、始原識能力者にすら劣り、世界崩壊時には何も出来ずに消滅しかける。
 しかし、すんでのところで無意識に《死殺》を行う。

 無になった世界で、定理は、全てを諦めて消滅していこうとする女神を説得し、「必ず世界を救う」と約束して、全ての巻き戻しを行わせるのであった。



ルーシア魔術学院

 私は、国立ルーシア魔術学院2年に在籍している。
 なんでもここは、魔術がまだ、オカルトマニアのお遊びだった頃に設立された、歴史のある国立高等学校なのだとか。
 今では他の学科と同程度に一般化された魔術学科、その最高峰である。――エルミリア・クラメール

時代:西暦1800年~
 最初の巻き戻しが行われた後の、第二時間軸《アズ・リアル》は、アンファングが世界観の侵犯を行った頃が原因となり、人々が逆流神経を持つ世界になった。
 即ち、はじめから魔術が使えるようになったのである。
 暫くは、魔術が公のものとなっておらず、一周目と殆ど同じ歴史を歩んだが、魔術を学ぶことを公然のものとしている「ルーシア魔術学院」が生まれたことが発端で、魔術が社会に浸透していった。
 2000年には既に、多くの魔術学院と共に、魔術の理論や成果の研究発表を行ったり、魔術師同士の交流などの場を作る巨大独立機関、《魔術学会》が生まれていた。(現在における《魔術学会》の秘密結社的立場とは、かなり異なる。)
 彼らの取り計らいにより、新世会関連の問題は発生せず、偽世界とも友好的関係を築くことに成功している。

d-Δの境界

 私が託した夢を叶えるどころか、私に残った夢の残り滓まで拾ってくれたなんて。
 持つべきものはやはり友だ。――エルミリア・クラメール

 "此方側"へ、ようこそ。――アレーティア

時代:西暦2042年
「魔術学院の最高峰」と称される、ルーシア魔術学院の生徒、エルミリア・クラメールは、その名門の中にあっても、他の生徒を歯牙にもかけない程の、若き天才魔術師であった。
 既存のどの魔術学派とも異なる概念として、魔術学会に、十八番目の学派としての認定を受けた《数理魔術》を生み出したのも彼女である。

 少なくともこの時期、既に定理は《アズ・リアル》内に居り、「世界を救うためには世界をもっと知らねばならない」と、地上で右往左往していたところをエルミリアに拾われる。
 これは二人にとって非常に重要な出会いであり、定理が数理魔術を用いるのも、この時代に、他でもない、その始祖から学んだ為である。

 盟友を得たエルミリアであったが、しかしある日、彼女は死亡することとなる。
「殺したものを自身の中に取り込む」という性質を持つ、概念的存在である剣――後の《特異存在》の一種が襲来し、彼女を襲ったのだ。
 その剣の保有する概念の一部となったエルミリアは、「取り込み(ころし)たい」という衝動に突き動かされる前に、「時間と時間の狭間」であり、《虚数領域》でもある《d-Δの境界》に自身を転位させることを定理に頼み、彼女はそれを実行した。

 虚数領域に放逐されたエルミリアは、剣の一部として支配されることなく、逆に、長い時間を掛けてその全てを掌握し、「剣」ではなく「エルミリア」として、特異存在となった。


 なお、この一件の少し後、リフレイン・ブラッドカラーという、「吸血鬼」の少女が魔術学院の時計塔に現れ、境界魔術の始祖であるメリア・フランシールの血族であるマルカ・フランシールらと交戦する等といった事件が発生したりと、《対象》以外の「存在し得ない存在」がしばしば現れるようになる。

二度目の崩壊

 ……どう試算しても、私は勝つことが出来ないの。――東岸定理

時代:西暦2300年頃
 魔術が一般的に使用され、高度な科学技術も伴って大いに発展した《アズ・リアル》ではあったが、終わりの刻は、以前にも増して早くに訪れる。
 かつての世界と同じように、無数の《対象》が現れ、世界を食らい尽くしたのである。
 魔術で《対象》を撃退することは不可能であるため、あっけなく全ては終わった。
 特異性と数理魔術を融合した独自技術《演算》の前身を作り上げていた定理と、特異存在であるエルミリアが対抗することは可能であったものの、それだけで崩壊を阻止することは不可能であった。

 二人は、もう一度、女神と対話し、全てをやり直させた。
 こうして生まれた第三時間軸《アズ・リアル》が、「存在し得ない存在」を《特異》と定めた、本ゲームの舞台となっている世界である。



魔術学会結成前

 私が力とするのは、"理想"。理想に変えられる現実なんかに対して、怯える必要は無い。――東岸背理

時代:西暦1942年以前
 第三時間軸《アズ・リアル》は、概ね現実世界や、第一時間軸に準拠しているものの、非常に混沌とした世界である。
 魔術によって社会の転覆を狙う秘密結社が世界各地に存在している一方、それらを含めた「特別な者達」を排除する《教会》や、日本に古来より存在する《斑鳩機関》、魔術を応用して神を呼び出す試みを行った《惟神》など、力を持った、様々な組織が生まれた。
 一方で、始原識能力だけではなく、《特異》という概念が生まれた事により、《特異能力》と呼ばれる、「存在し得ない法則」を操る者達が、ごく少数ではあるが現れるようになり、「個としてあまりに強過ぎる存在」も出てきた。
 この新たな傾向について、定理は歓迎しており、世界の崩壊を乗り切る為に、彼らのような強者は必要不可欠なのであった。

魔術学会

 七〇年前の大戦。
 国家対立に乗じ、魔術師達は、其の技術によって日本社会を掌握する事を目論んだ。
 その迎撃を行ったのが、《斑鳩機関》。――神領烈花

時代:西暦1942年頃
 この時間軸においては、――崩壊の訪れる日だけでなく――様々な出来事が、以前よりも早いタイミングで到来していた。
 アンファングが異世界転位を行ったのは、第二次世界大戦の最中である。
「社会の表側」だけでなく、「裏側」も混沌としており、全く一枚岩とは言えない状況であった為、第二時間軸のように、偽世界の諸問題がスムーズに対処されることはなかった。
 アンファングは、「魔術師――そして、自分自身――のための世界」を創り上げるため、《魔術学会》を結成。
 彼女と、数人の学派始祖を筆頭に、魔術師の一大勢力は、武力による侵略を繰り返した。
 日本では、魔術学会と、斑鳩・惟神・教会及び、ドイツの魔術機関《アーネンエルベ》による共同戦線が、激しい交戦を繰り広げていた。

 最終的に、アンファングが倒され、彼女がどこかに逃亡したことにより、魔術学会の侵略行為は止まる。
 それから、魔術学会中枢十八席、特に、境界魔術の始祖であるメリア・フランシールを中心に、学会は方向転換を行い、現在の立場を持つ魔術学会に変わることとなった。

東岸家

 私の押し付ける世界《ルール》を受け入れなさい。それが厭ならば、私より強くなって、超えればいい。
 其の思考で、世界を超えなさい。――東岸定理

時代:西暦1994年頃~
 定理は、あることがきっかけで、依然から目をつけていた、一つの家系への干渉を行う。
 その《東岸家》は、第一時間軸から、「何らかの特別性」を有する者を輩出していたが、第三時間軸においてそれは、特に、「高い特異能力への適性」として現れていた。
 彼女が、そんな家系の養子――東岸定理となったのは、東岸家に「東岸背理」という、《論理武装》に対して規格外の適性を持つ少女が生まれたことが理由である。

 定理は、彼女の力を最大限開花させると共に、東岸家を拠点として、特異能力者の覚醒への関与や管理などを推し進め、来る「三度目の崩壊」へと備えることとなった。

 こうして《アズ・リアル》は、現在の状況へと至る。



終末の日

 全てが終わる刻には皆、私に力を貸さなければいけない。そうしなければ皆、消えてしまうから。――東岸定理

時代:西暦2017年頃
 定理は、第三時間軸が《対象》によって食い尽くされようとする日が、2017年に訪れると予測している。
 これより早くなることはあっても、遅くなることは無い。
 二度の世界再構成を経て、人類は、《特異》という最強にして最悪の矛を手に入れたが、それでも、この崩壊を乗り切れるかどうかは未知数である。


アズ・リアルの歴史・可能性世界概略図

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  • 最終更新:2017-09-07 00:11:16

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