《始原識》に関するルール

▼《始原識》
 この世界に生まれる一部の人間は、先天的に、ある種の「運命」に拘束されることがある。
 彼らは、他の人間に比べて、「人生をどう生きるか」がある程度定められており、望もうが望むまいが、その方向に引き摺られていくのである。
 そういった関係上、彼らのような人間は、まるで「或る物語のメインキャラクター」であるかのように劇的な人生を歩むことが多い。
 それは人並み外れた幸福であるかも知れないし、人並み外れた苦難であるかも知れない。
 どちらにせよ、このように人を強く祝福し、強く呪う「運命」を、《始原識》――略称《識》と呼ぶ。
 名前の由来は、《識》を宿した者が、生まれた瞬間に、自身の運命を象徴するようなビジョンを視る為である。

 強い運命的拘束である《識》は、宿主に「その運命を象徴するような異能」――《識能力》という形で、分かりやすい恩恵を与える。
 一方、運命の偏りによって生まれた「不幸」が分かりやすく表れた形として、《識能力》を使ったり、或いはただ所有していることによる「代償」というものがある。
 例えば、「憤怒」の《識》を持つ者は、「怒り」を破壊的エネルギーに変える異能を持つが、代償として、何かに対する「怒り」という感情から、生涯を通じて逃れることが出来なくなり、平穏な生活に帰属し難い精神性を持つことになる。
 
 《識》とはいわば、「生来の、自分独自のルール」であり、「世界を壊してでも得たいと願ったルール」である《特異能力》とは異なるものである。
 しかし、双方とも法則を砕く効力があり、そういった意味では互角の能力と言えよう。
 《特異》と比べ、《識》は「世界から与えられ、許されたもの」であるため、世界に損傷を与えることはないものの、自らの望まない事象を引き寄せることが多発する点から、一長一短である。
 また、《識》は、持っているならばそれは必ず生来のものとなるが、《識》を持っている人物が、必ずしも《識能力》を使用できるとは限らない。
 《識能力》は、「能力」という以上は、制御出来ていることが前提となる。その為、意識的にしろ無意識にしろ、経験の反芻、或いはビジョンの想起によって、自らの運命のカタチを悟っていなければ使用できないのだ。
 もっとも、《識》によってたまたま発生した、不自然な事象の捩れが、他の異能者からは「異能を使った」ように見えることがあるかも知れないが。
 
 ここでは、キャラクターが《識》を所有し、その能力を使用するルールを示す。

■《識》の取得と消失
 通常、PC作成時には、クラスに従って三つの《流出》を取得する。
 しかし、作成時に《流出》を三つ取得する代わりに、自身の取得しているクラスから二つだけ取得するのを選ぶことで、《識》を得ることが出来る。
 《識》を得た場合、そのPCはそれを失わない限り、《流出》を二つしか持つことが出来ない。
 なおNPCの場合、《流出》の数が不確定であるため、(たとえ、所有する《流出》の数が0であっても)特に制限なく《識》を取得出来る。
 また、あらゆるキャラクターは、シナリオにおける何らかの特例的な扱いを除き、《識》を一つしか取得出来ない。
 これは、《識》を二つ以上取得した場合、互いの「運命的偏り」が平均化され、どの偏りも表れなくなってしまう為である。

 《識》を消失させることは、任意に、いつでも行うことが出来る。
 そうした場合、その場で、クラスに従って三つ目の《流出》を取得する。
 但し、自らの運命である《識》から解放されるということは、そう簡単には発生しないということに注意すべきであり、それこそ、本人にとって、今までと今後の人生全てを否定される程に衝撃的な出来事が必要となる。

■《識》の決定
 《識》を取得した場合、その具体的な効力を決定し、キャラクターシートの《流出》を記入する欄に、記入する。
 効力は、《始原識》一覧を参照し、「能力」の中から一つ、「代償」の中から一つ選択し、それらを合わせて一つのものとして記述する。
 《識》の効果を決定したならば、その能力と代償から、キャラクターにどのような影響を与えたかを、キャラクター設定と併せて考えておくとよい。

 なお、《識》はスキルとして扱わない。その為、スキルを強化したり弱体化させたり、対象を変更したり、打ち消したりなどするスキルや《流出》の効果を受けない。
(例えば、《無限光(アイン・ソフ・アウル)》で《識》を取得することは出来ない。)

 記述例は以下のようになる。

名称:《怒り》(能力:《憤怒》、代償:《憤慨》)
タイミング:いつでも
射程:-
対象:自身
コスト:クローバー×3
効果:
 パート終了時まで、次にあなたが与えるダメージに+20する。
 この効果は何度でも適用される。

 戦闘開始時、あなたは敵対キャラクターを一人選ぶ。
 戦闘終了時まで、そのキャラクター以外を対象とした行為の判定の判定値に-10する。

名称…《識》の名称であり、自由に決定してよい。
タイミング・射程・対象…スキルや《流出》と同様。
コスト…能力のコストと、代償のコストを合わせたもの。この例の場合、《憤怒》がクローバー×2、《憤慨》がクローバー×1なので、クローバー×3となる。
効果…能力の効果と、代償の効果を合わせたもの。
特に記述がない限り、代償の効果は、《識》を使ったか否かに関わらず適用されるため注意。

  • 最終更新:2017-09-13 12:58:09

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