用語集:ま~も


マインドスライム症候群

 精神症状の一種であり、《ホスピタル》の研究対象の一つ。
 発症者の人間は、人格が破壊されて寝たきりになり、目を覚ますことが無い。
 過度に「繋がり」が求められ、かつそれらを実施するだけの情報伝達環境が揃っている現代でこそ発生した症状。
 過度な情報入出力は、精神ネットワークの端末としての人格境界を破壊し、自己存在を流出させる。これによって患者は、「何者にもなれる」が故に、文字通り「何者にもなれない」存在となり、実質的には死亡した状態となる。


魔術

 超常現象を引き起こす技術。
 一般的に、それが実在することは知られてはいないが(記憶修正により、一般人は観測することが出来ないため)、特別性としては最もポピュラーであり、この技術を持つ者はそれなりに多い(勿論、全人類の数と比べれば、圧倒的に少ないが)。
 "超常現象を引き起こす"と言っても、魔術は特異能力ではないため、飽くまで「一般的には起こるとは考え難いが、概念境界の上では、起こることがサポートされている現象」を起こすに過ぎない。例えば、魔術を極めた結果として、概念境界に記述されている「死」という現象を、何の脈絡も無く、誰かに与えることは出来る。しかし、論理的に矛盾していること、例えば、「絶対に死なない存在」を殺すことや、「一度訪れたら絶対に逃れられない死」を回避することは、魔術によっては行えず、特異を用いる必要がある。
 魔術は、人間の脳内に存在する、人間個々の存在と、概念境界とを繋ぐインターフェースであるところの「逆流神経」を発火させることによって行う。この逆流神経の性質には個人差があり、人によって、魔術のタイプの向き不向きがある。また、この発火を行う際の自己暗示が、いわゆる詠唱である。

 魔術を究める者――魔術師は、自身の魔術にかける思い、ひいては世界に対する価値観や要求を一言で表した、「魔術名」を名乗ることが多い。
 これは単に慣習でしかないが、自らの意志を明確にしておくという意味では重要である。
 魔術の世界に足を踏み入れた者はえてして、確固たる目的意識を持たねば、物理法則を逸脱した力に振り回されて社会性を損なったり、逆に、高位の魔術師の「異次元さ」に絶望し、劣等感に駆られてしまうものなのだ。

魔術学会

 魔術師の総本山である組織。現在主流となっている魔術はすべて魔術学会から始まり、全国に広まって、大小さまざまな魔術結社を生むこととなった。
 本部は、ロサンゼルス郊外に有る、大学状の施設である。しかし、それらの広大な敷地は魔術的に隠蔽されているため、一般人は「その未知の施設が何であるか」を気にすることが出来ない。
 また、全国の各都市に設置されている「支部」も、物理的には本部と接続されており、各所に在る転位結界から向かう形になる。

 学会の意思決定は、「学会中枢十八席」と呼ばれる、魔術の十八種類の学派それぞれのトップの会議によって行われる。
 本来ならば、魔術学会の中でも最高位の存在であり、最も発言力を持つのは、第一席、魔術の最大勢力である識術師のトップである、アンファングという少女だが、実在するかどうかも不確かである程に姿を現さないため、他の学派は、ある程度均一なパワーバランスを保っている(実際には、儀式魔術などの規模の小さい学派は、それだけ発言力も弱いが)。また、第十八席、学会に認められている中では唯一の理言界魔術である、数理魔術の長、エルミリアという少女も、滅多に会議へ姿を現さない。しかし、「姿を見たことがある」という人間はたまに居るため、全く表へ出てこないという訳ではないようである。
 魔術学会全体の意思としては「中立及び不干渉」を掲げている。即ち「一般社会との間には、一線を置くこと」を方針としている。これは「一般社会に何があろうと、知らない振りをする」という意味ではなく、「魔術師が何らかの甚大な介入を行えば、それを抑止する」という意味での、積極的な不干渉維持を示している。そのため、積極的に通常人の社会へと介入し、望む形に変容させようと目論む《神殿》に対しては、常に睨みを利かせている。《神殿》以外の、各国の魔術的結社の調査及び監査も行っているが、それは追いついていないというのが実情である。
 学会は、概ねその方針を貫くことに忠実であるし、個々の魔術師も、そうである事が求められる場合が多い。しかし場合によっては魔術だけでなく、その他の特別性も関与してくる事がある。その為、必要だと考えれば、他の機関に協力を仰ぐことも厭わず、そういった意味では柔軟性の高い組織である。
 なお、危険な魔術師を抑止した際の事後処理は、基本的には捕獲・拘置である。その点では、一般的に言って、殺害することに容赦のない斑鳩機関よりは情けがあると言える。

  • 最終更新:2018-03-12 21:40:09

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