進行リスト

■シナリオ概要
 ここでは、シナリオのあらすじを示す。
 想定される結末まで記述されているため、シナリオ概要と進行リストは、プレイヤーに公開してはならない。

 水明行乃は、元々、特異能力に覚醒する"素養"、悪く言えば「逸脱性」を有していた。
 昔から家庭内や学校で虐めに晒されてきた彼女は、鬱屈したまま育ち、普段から上辺だけは明るく振舞いつつも、内心「自分の人生も含め、何もかも台無しにしてみたい」と思っていた。
 彼女は、何もせず、誰とも仲良くならない事で、そんな気持ちを暴走させまいとしていたが、それでも唯一心の支えとなっているPC①とだけは距離を置くことが出来ずに居る。
 "カレンデュラ"、カレン・クリアロードは、そんな行乃の対存在であり、精神干渉魔術を得意とする、偽世界出身の魔術師である。行乃と全く同じ容姿を持つ彼女は、かつて偽世界に居た頃に、依存先の恋人を喪ったことで、何ら生産性の無い、破滅的思想を抱くようになっていた。そんな自らの救いを求め、アズ・リアルに訪れて、《神殿》のスカウトを受けた彼女。
 暫くは組織の指示を理由に、力を振りかざしていたが、櫻岡市に自身の対存在である行乃が居ることを知るや否や、彼女を破滅させる為に、独断で櫻岡市に訪れた。
 《神殿》の命令で行動していた時期は、生来の内気さから、特異存在としての性質を解放してはいなかったが、現在は、行乃が当たり前のように日常を過ごしているのを見て憤慨し、特異性を晒すようになっている。
 そんなカレンが目をつけたのが、かつての恋人の対存在であり、そして行乃を好いていながらも彼女に受け入れられなかった、御影正輝である。彼は正義漢であり、過去に自殺者を助けるために特異能力に覚醒してもいる。しかし、その自殺者に、助命行為を否定されたことが、自身の正しさに疑いを持つこととなり、「自分を正しいと思っていたい」性格となった。そこで、行乃と同じ容姿を持つカレンは、正輝を受け入れることで、彼の精神を弄ぼうと目論んでいる。
 また、予め行乃に接触して精神干渉を行い、彼女の逸脱性を解放させ、特異能力である「精神汚染」を使えるようにすることで、殺人を助長する。
 カレンは、そんな行乃を、「行乃は殺人を犯した悪人であるから、断罪せねばならない」という思い込みの"正義"と、その思い込みを受け入れてくれるカレンに目を眩ませた正輝に殺させるのが楽しみで仕方がなかった(実は、正輝は行乃にとってはそれほど重要な存在でも無いのだが、その事を気にするほど、カレンは客観的になれていない)。

 本編の始まる日の深夜、ついに行乃は、かつて彼女を虐めていた連中の一人を路地裏に呼び出し、殺害するという形で、殺人を犯してしまった。
 そしてその日の夕方、さらに行乃を追い詰める為、彼女が大切に思っているPC①を、配下に殺害させる。
 しかし、PC①は特異能力に覚醒して《死殺》を行い、反撃しようとするも、痛みの余り、気を失う。
 翌日の夕方、目が覚めると、そこに行乃はおらず、代わりに東岸定理が、彼女の屋敷でPC①を休ませていた。
 PC①が目覚めた力、また、社会に「一般人の目に映らないもの」が存在している事を述べる定理。そして、詳細は不明だが、行乃もまた、そのような不条理が支配する事件に巻き込まれている可能性が高いことも説明する。
 とりあえずは一旦帰宅し、整理をつけることを推奨した定理だが、そうして帰宅したPC①の元に、襲撃が行われる。PC①を殺し損ねたカレンが、再び配下を送ってきたのだ。
 それらを撃退した日の夜、カレンは正輝に接触を図り、彼を弄んで懐柔する。
 各々情報を集めつつも、PC②は、正輝が学校に来ていることを確認し、彼に事情を問いただす。一方、PC①は、行乃が学校に来ていないのが気がかりであったが、放課後、彼女からPC①の元へ連絡が入る。"話をしたい"という彼女に会いに行くも、正輝に連れ去られる行乃。
 情報収集や会話によってPC達が事件の背景を掴んだ後、PC③らに、魔術学会から連絡が入る。
 どうやら調査員を派遣した結果、櫻岡市東部のオフィスビル街に潜伏しているという事が分かったが、独自の精神操作魔術に特異性を噛み合わせた視界統制魔術により、具体的な居場所が不明であるため、捜索を行うことになる。この時既に、カレン、行乃、正輝は、とあるビルの屋上に居た。そして、カレンは正輝をそそのかし、行乃を裁かせようとしていた。その様子を視点分離によって観測した場合、情景から位置を特定できるため、すぐに彼らの居る場所に到達することが出来る。
 ビルの屋上で対峙する、PCとカレン。正輝は、もはやカレンに狂っており、彼女を守る事に躍起になる。
 二人を倒すことで、事件は終息する。


※進行リストの見方
 シナリオは、進行リストを一つずつ演出していく事で進む。
 各パートには、「自動登場」が設定されており、そこで指定されたPCは、そのパートの開始時に、自動的に登場することになる。
 また、「登場可否」は、自動登場で指定されたPC以外のPCが登場できるか否かを示す(不可である場合は登場不可能)。ただし、PCの設定や状況等が適切だと判断した場合、GMは他の特定のPCが登場することを許可または推奨してもよい。登場は、宣言するだけで、任意のタイミングで行える。
 パートの「解説」には、そのパートで描写・処理すべき事の概要や特記事項が記述されている(こちらは、GMが把握するためのものであり、読み上げないのが基本となる)。また「描写」では、具体的に演出する内容や、行うべき処理が書かれているため、それを読み上げ、処理しつつ、適宜反応を窺ったり、反応によっては一部を省略する等して演出するとよい。勿論、状況次第で、独自の演出や処理を加えても構わない。


■オープニング・フェーズ
▼パート1:逸脱
自動登場:なし 登場可否:不可
解説:
 行乃が、自らの首を絞めて事切れる男を前にして、怯える描写を行う。
描写:
 深夜、櫻岡市の何処かの路地裏。
 殆ど明りの無いここで、少女は怯えた顔をして、地面に座り込んでいた。
 知っている者が見たら、彼女は水明行乃の身体的特徴と一致することが分かるだろう。
 彼女の目の前に立っているのは、いわゆる「不良」風の男。彼は、自分の首を絞めている。呻き声を上げながら白目をむいている辺り、明らかにふざけてやっているのではない事が分かる。
 そんな様子を見ている(暫定)行乃。
行乃「嫌……私、なんで……本気でこんなこと考えたワケじゃないのに……」
 男が死亡して、行乃が慌てて走り去ると終了。

▼パート2:魔術学会
自動登場:PC③ 登場可否:不可
解説:
 魔術学会のメンバー、あるいは協力者であるPC③が、魔術学会櫻岡支部に呼び出され、任務を言い渡されるパート。
描写:
 早朝、とある建物の物陰にある、地下への階段の前にて。
 一見、倉庫か何かへの入り口にしか見えないところだが、魔術師であるPC③は、精神ネットワークへの接続度合いによって魔術師か否かを判断する、空間接続魔術によって、別の空間へと繋げられていることを知っている。
 そこは、妙に豪奢で広い廊下になっていた。多くの部屋があるものの、事前の通達により、入ればよい部屋番号は分かっている。
 指定された部屋である会議室に入ると、そこには金髪の男性、アルバートが待っていた。
アルバート「おはようございます、PC③。あなたが今回の件を担当する方ですか」
アルバート「失礼、申し遅れました。私はアルバート・ブレイズワース。中枢の方々のメッセンジャー、というよりは便利屋といった感じでしょうか。まあ、私のことはいいでしょう」
アルバート「今回あなたに与えられた任務は、櫻岡市内に侵入した、我々と敵対する魔術結社である《神殿》に登録されている、"カレンデュラ"という魔術師についての調査並びに抑止、排除です」
アルバート「ご存知の通り、魔術と社会の適正な調和を目指す我々と、魔術によって社会を侵すことを厭わない彼らは、組織の段階でもはや相容れない存在です」
アルバート「既に櫻岡支部が何人かの魔術師を調査に向かわせたようですが、どうやら消息を絶ってしまったようです」
アルバート「未だ、件の魔術師に関する個人情報や容姿、使用魔術の傾向、そして目的などは分かっていませんが、我々としては放置しておく訳にもいきませんからね。危険性があれば、捕獲するか、それが厳しいようでしたら殺害してください」
アルバート「ああ、今回は、櫻岡市の斑鳩機関にも協力を仰いでおきました。PC④という方が担当するそうで」
アルバート「こちらでも何人か調査員を手配しておきましたが、とにかく、早急な解決を願います。私自身が中枢の連中にいびられるのは構いませんが、一般社会に被害が出ては手遅れですから」
 会話を終えるとパートが終了する。
・PC③は、目的「カレンデュラへの対処」を取得する。

▼パート3:斑鳩機関
自動登場:PC④ 登場可否:不可
解説:
 斑鳩機関のメンバー、あるいは協力者であるPC④が、神領烈花に呼び出され、任務を言い渡されるパート。
描写:
 早朝、神領烈花の屋敷にて。
 PC④が屋敷の門をくぐると、そこで待っていたのは、黒髪をポニーテールに纏めた制服の少女、神領神奈(じんりょう・かな)であった。
神奈「おはようございます、PC④さん。おばあ様がお待ちになっている部屋へ案内しますね。あ、私、神領神奈という者です」
神奈「ところで、あなたは実際に烈花おばあ様にお会いするのは初めてでしょうか? もしそうなら、何といいますが、驚かないで下さいね」
神奈「外見上はそうは見えませんが、櫻岡市周辺の斑鳩機関メンバーを纏めていると同時に、神領本家でも重要な立場を持つお方です」
 いくつも部屋がある中、ある大きな和室を案内されるPC④。中から話し声が聞える。そこを開けると中に居たのは、黒髪ツインテールで、巫女装束を着た、幼げながらも胸の大きい少女。携帯電話で誰かと会話していた様子だった。
烈花「あ、おはようございます~。お話には聞いていると思いますけれど、私が烈花です」
烈花「早速ですけど、斑鳩に組する者であるあなたに、任務を言い渡します」
烈花「実は現在この街に、《神殿》という、危険な魔術結社に所属する、"カレンデュラ"という魔術師の方が潜伏しているらしいのです」
烈花「そこで、その対処をお願いしたいのです」
烈花「これは、魔術学会の協力要請でもあり、あちらはPC③という方が行動なさるようですが、私達、斑鳩機関としても、不穏な輩が街の中に居るなどということを見過ごすことは出来ません。私達は、秩序を守る組織なのですから」
烈花「必ず消せとは言いません。けれど、妥協しろとも言いません。実際に人的被害を出すのなら論外ですが、そうでなくても、危険性のある存在は排除されなければならないのです」
烈花「それでは、お願いしますよ。申し訳ないのですが、私はこれから、とある魔術結社の解体の為に出張らなくてはいけませんので」
 会話を終えるとパートが終了する。
・PC④は、目的「カレンデュラへの対処」を取得する。

▼パート4:御影正輝
自動登場:PC② 登場可否:不可
解説:
 二週間前、行乃に振られた正輝の愚痴を聞いているところを回想すると共に、学校に来なくなった彼の身を案じるパート。
描写:
 二週間前、櫻岡高校にて。
 昼休みに入ると、御影正輝は、いつものようにPC②に声を掛けてきた。
正輝「腹減ったし、早く飯食おうぜ、PC②」
 机の上に弁当を広げて食べ始める正輝。そんな彼は、いつもよりどこか浮かない表情だった。
正輝「なあ、その、今からへんなこと言うかもしれないけど、笑わないでくれよ」
正輝「俺、実は前々から水明行乃って奴の事が好きでさ。お前はあんまりそういうの、興味ないかも知れないけど。っていうか俺も、初めて他人に惚れたんだけど」
正輝「なんていうの、こう、守ってあげたくなるっていうか……」
正輝「それで、"好きだ"って言っちゃったんだよ、本人に。逃げられちゃったんだけどさ。まあ予想はしてたよ、実際そんなに関わったことないしさ」
正輝「全く、なんで大して知りもしないヤツに、あんなに惹かれるもんかなぁ……」
正輝「それより、先生も"将来の事はちゃんと考えろ"って言ってたし、そろそろ進路の事とか考えないとな。俺は正義を貫ける職業に就きたいなあ。警察官とか」
 それからは、いつもの、良い意味で恋愛とは縁の無さそうな彼に戻った。

 それから現在。
 学校に来たPC②は、今日も正輝が学校に来てないことを確認する。ここ数日、ずっとこんな調子だ。どうやら家にも帰っておらず、警察も見つけられていないらしい。
 教師が、そのような旨を話したところでシーンが終了する。
・PC②は、目的「御影正輝の行方を知る」を取得する。

▼パート5:水明行乃
自動登場:PC① 登場可否:不可
解説:
 学校に来て、行乃と会話するパート。最初の段階ではまだPC①は一般的な学生でしかないが、パートの最後に、不審な男(カレンの配下)の使用した魔術によって殺されることで特異能力に覚醒、《死殺》を行う。
 PC①が何か行動を起こそうとすると、激痛のあまり気絶して、パートが終了する。
 なお、この時点では、まだPC①は目的を取得しない。
描写:
 ホームルームが終わり、提出期限が一週間後の進路希望調査票が配られた後の、放課後の櫻岡高校にて。
 行乃は、荷物をまとめるや否や、いつものようにPC①の元へ駆け寄ってくる(PC①が部活に入っている場合、わざわざ終わるのを待っている)。彼女はそれなりに誰とでも明るく接するタイプだが、そんな彼女にとって、友達らしい友達がPC①しか居ないことは、PC①から見ても明白だった。
 彼女は、見るからに、いつもより暗い様子だ。
行乃「おつかれー、PC①。帰ろっか」
 そんな事に声を掛けて、学校を出る二人。
行乃「ほんと、学校って疲れるよね。やっぱりこういう所に居る限りは愛想を保ってなきゃいけないワケで、そういうのは得意じゃないし」
行乃「ところで、PC①はもう進路とか考えてるのかな?」
行乃「私は提出期限ギリギリまで迷っていそうだよ。別に、やりたい事なんて無いし。あるかどうかも分からない未来の事なんて考えたくないよ。明日死んじゃうかもしれないのにさ」
 そんな会話をしていると、二人の前に、黒いコートを着た、不審な男が立ち塞がった。何か心当たりがあるのか、行乃は明確に怯えた表情を見せている。
行乃「何、何なの……?」
 男は、何を言わず、ただおもむろに、指先をPC①に向ける。
 そして、PC①は、唐突に自身の腹部に激痛が走り、血が噴出するのを感じる。ここで、PC①のHPを0にする。
 行乃は驚いた顔で、まるでPC①には見えていない何かが見えているかのように、男の指先を眺め続けていた。
 意識を失いそうになる中、PC①の頭の中に、行乃のものではない、少女の声が響く。
少女「あなたは、このままだと、訳も分からずに死んでしまう事になるわ」
少女「だけれど、もしそれを精神の底から拒絶するというのならば、あなたは、別の選択肢を取ることが出来る」
少女「それは、あなたを襲った理不尽な死そのものを殺すこと。あなたには、その素養がある」
 PC①は特異能力に覚醒し、《死殺》を行うことが出来る。
 《死殺》を行うことで、消えかけた意識が元に戻るが、何か行動を起こそうとした途端、ショックによる消耗で気絶してしまい、パートが終了する。

▼パート6:東岸定理の依頼
自動登場:PC⑤ 登場可否:不可
解説:
 東岸定理が、協力者であるPC⑤に対して、先ほど特異能力に目覚めたばかりのPC①を助けることを依頼するパート。
 定理は、テレビで流れている、男性の変死に関するニュースについて、"この出来事はPC①と無関係ではない"という予感を得ているらしい。そして、彼女のそういった予感が正しくなかったことは、今までに無かった。
描写:
 夕方、東岸家の屋敷の、妙に広い居間にて。
 PC⑤は、テレビを横目に見ながら何でもなさげに煎餅をかじる少女、東岸定理の前に座っている。
 テレビでは、本日の朝、市内某所の路地裏で、男性の変死体が発見されたという旨のニュースが流れていた。
 改めてPC⑤の方に視線を戻し、話し始める定理。
定理「悪いわね、突然呼び出してしまって。今回はちょっと、PC⑤にお願いしたい事があるのよ」
定理「ついさっき、特異能力に覚醒したばかりの子を連れてきたの。今、隣の部屋で休ませているけれど。一応、回復処置はしておいたわ。力を使うのは心苦しいのだけれど、最初の最初くらいは、私が手助けしてあげる事にしたから」
定理「そう、死を殺したの。あなたの持つ力と同じよ。まあ、じきに目を覚ますでしょう」
定理「それで、単刀直入に言うけれど、あなたには彼/彼女の手助けをしてあげて欲しいの」
定理「今のニュース、あれと、彼/彼女がこうなった理由は、私には無関係とは思えない。きっとあの子は、首を突っ込むか、突っ込まされることになるわ。だから、手伝ってあげて」
定理「本当に何の関係も無いのならそれはそれで良いけれど、良くないことは連鎖しがちだものね」
定理「私自身の手で助けてあげたいのは山々なのだけれど、私自身は大々的に動くことが出来ないし、もし出来たとしても、私がそんな事をすれば、意味が無くなってしまうから」
定理「まあ、私の事はどうでもいいわ。とにかく、お願いね……と、そろそろ起きたかしら」
 会話を終えると、パートが終了する。
・PC⑤は、目的「PC①の手助けをする」を取得する。

■ミドル・フェーズ
▼パート7:世界の真実
自動登場:PC① 登場可否:PC⑤のみ可
解説:
 東岸家の屋敷で目を覚ましたPC①に、定理が、世界がどういうものであるかという事と、特異について説明するパート。
 既にプレイヤーが世界観を理解している場合、細かな説明台詞は省略してもよいだろう。
 なお、定理が特異能力を使用したことによって、パート開始時に崩壊率を10上昇させ、PC①のHP、MPを全回復させる。
描写:
 何処かの屋敷の寝室で目を覚ましたPC①。
 そんなPC①に、先に聞いた声の主が聞える。
定理「気分はどう? あまり良くないとは思うけれど」
定理「私は、東岸定理。一人で倒れているあなたを助けたの。まあ、あなたをここ、私の家まで運んだのは、私じゃなくて弟なのだけれどね」
(行乃の事を聞くと)定理「他には、男の死体があっただけで、誰も居なかったけれど。それより、もし何かするつもりなら、私の話を聞いてからにして欲しいわね」
定理「私は、あなたの身に起きたこと、分かるわよ。でも、それを理解するためには、まず世界がどういったものであるかを理解していなければならない」
定理「実は、世界というものは無数に存在していて、ここはその中の一つに過ぎないの。そして、世界の形は、"その世界上において、ある、原因となる事象が発生した場合の、ある、結果としての事象が発生する確率"を全て定めた集合体、《確率の空》が定めている」
定理「だけれど、この世界の《確率の空》は、とても脆いの。だから、真に心より、この世界の法則から逸脱することを望めば、この世界では定義されていない事象を引っ張り込む事が出来てしまうし、外側から進入することも出来てしまう。あなたに目覚めたのは、そういう力、《特異能力》」
定理「その力があれば、以前のあなたには見えていなかったものが見え、真実の追求が出来るようになる」
定理「でも、これだけは覚えておいて。この世界の法則を逸脱したルールを導入するという事は即ち、この世界を破壊することにも繋がるわ。だから、もし力を使えたとしても、無闇に使ってはいけないわ」
定理「まあ、今日は家に帰りなさい。正直腑に落ちないだろうから、一旦落ち着くといいわ」
 PC①が屋敷を出ると、パートが終了する。

▼パート8:悪意の追撃
自動登場:PC① 登場可否:可
解説:
 帰宅しているPC①を、カレンの配下が襲撃するシーン。
 ここでは戦闘が行われるため、他のPCも登場する事が望ましい。
描写:
 定理の屋敷から出たPC①。既に日が落ちかけている中を帰宅する。
 大通りに差し掛かったところで、普段はこの時間でも多少は車や人間の交通がある筈なのが、まるでここに来ることを避けているかのように、唐突にそれらが皆無になった。
 既に特異能力者であるPC①は、何となく、これが自らの持つ力、即ち"普通の人間の常識から外れた力"と同様なものによって起きていることだと理解できる。
 車道を闊歩する、外套を着た数人の男。よく顔を見ると、血が通っていないようには見えないものの、まるで生気を感じられなかった。
 男の一人が、小声でぼそぼそと何かを唱えたかと思うと、手の平を掲げる。今のPC①には、そこに、気体で出来た剣が形成されていくように見えた。
 
 戦闘を行う。PCは基本的には全員、戦闘用スクウェアの4-Cが初期位置となる。敵対キャラクターとして、戦闘魔術師A、Bを1体ずつ3-Fに配置し、同様にA、Bを1体ずつ5-Fに配置する。

▼パート9:接触
自動登場:なし 登場可否:不可
解説:
 深夜、正輝の家の前で、行乃のように見える少女(実際にはカレンである)が、正輝に接触する描写を行う。
 正輝は、特異能力者の勘として、変死事件を引き起こしたのが行乃ではないかと疑っているが、行乃に扮したカレンは、"行乃自身が悪い"という事にしている。
 なお、カレンは既に特異性を解放し、境界侵食を適用させているため、パート開始時に崩壊率を[オープン1]だけ上昇させる。
描写:
 深夜、櫻岡市某所の公園にて。
 ブランコに座っている、行乃と同じ外見的特徴を持った少女と、それに向き合って立っている正輝が、会話している。
行乃?「ねえ、私を助けて、正輝君」
正輝「そりゃあ、そうしたいのは山々だけどさ……本当に、"お前の方"は事件とは関係なくて、"お前の方"が行乃なんだよな?」
行乃?「うん、信じて。もう、キミにしか頼れないんだ。だから、助けて。その代わり、他の全てがあなたを否定しても、私はあなたの信じるものを肯定するから」
正輝「行乃……ありがとな。俺、正直もう何が正しいのか分からなくてさ」

▼パート10:自由行動
自動登場:なし 登場可否:可
解説:
 情報収集等を行うパート。特に演出の想定はないが、時間的には、パート9の後から、夜までの約一日を想定している。
 自由行動の想定パート数は2パートである。それを超えると、カレンが行動に移すのが早くなり、後のパートで彼女らが居るところにたどり着く判定の難易度が上昇する。
 全ての情報項目を開示することで、パート11に進むことが出来る。
 また、1回目のパート開始時に、各PCは回復処理を1度だけ行っても良い。これに行動は消費しない。

 情報項目には、以下のようなものがある。情報収集に際しては、このどれかを選択し、一定の判定値以上を出すことで、情報を開示することが出来る。各情報項目には、幾つかの情報のレベルが設定されており、判定値に応じて、情報の詳細さが変化する。例えば、判定値「10」、「13」、「15」に情報が設定されている場合、判定値が「15」なら三つの情報を全て開示することが出来るが、「14」の場合、「10」と「13」の情報しか開示されない。
 
■水明行乃について
使用技能:【交渉】【表現】
※もしいずれかのPCがシーン1で視点分離を行っているならば、段階2と段階3の必要判定値を-2する。
判定値6:櫻岡市内の高校の生徒であり、PC①という幼馴染が居る。誰とでも明るく接するが、仲が良いのはPC①だけに見える。
判定値10:変死事件が起きた日の深夜に、彼女が外出しているのが発見されている。また、彼女の叫び声を聞いたという話も出ているが、関係性は不明だという。
判定値12:本日の深夜に、一人で、街を徘徊しているのが目撃されている(どこかに寄ったなどと云う情報はない)。

■御影正輝について
使用技能:【交渉】【表現】
※もしいずれかのPCがシーン9で視点分離を行っているならば、段階2と段階3の必要判定値を-2する。
判定値6:櫻岡市内の高校の生徒であり、PC②という友人が居る。明るく真面目で、正義感に溢れた性格であり、人を苦しめているものを見たら、止めずには居られない。過去に自殺者を救ったこともある。水明行乃という同級生の事が気になっているらしい。
判定値12:過去に自殺者を救うために、特異能力に覚醒している。しかし、その時救った者に"折角覚悟を決めたのにも関わらず、後の事も何も考えずに救ったこと"を、口汚く罵られている。それに限らず、しばしば偽善者呼ばわりされている。
判定値14:本日の深夜に、公園に寄っている様子が発見されている。誰かと話していたようだが、不自然な程に、その相手は誰も見ていない。

■"カレンデュラ"について
使用技能:【交渉】【表現】【知識】
判定値8:【神殿】所属の魔術師。PC③とPC④が追っている。"カレンデュラ"というのは、"別れの悲しみを忘れるな"という意味を込めた識名であるらしい。
判定値10:正体は、カレン・クリアロードという、《偽世界》出身の魔術師である。《偽世界》とは、この世界の外側の世界の一つであり、魔術が戦争の武器として当たり前に用いられている世界である。
⇒カレンについて調査可能になる。
判定値12:精神操作魔術を得意とする魔術師であり、人間の精神ネットワークへの接続を抑制することで、素養を有する者ならば、強制的に特異能力に覚醒させることも出来る。

■変死事件について
使用技能:【交渉】【表現】
判定値6:昨日の早朝に、変死体が発見された事件。本日にも同様な変死体が見つかっている。それぞれ男子高校生、女子高校生であり、双方とも、「いわゆる不良」といった素行の学生だったらしい。
判定値12:死亡時刻はどちらも深夜と推定される。死因は窒息死であり、首に残った指紋等から自殺だと推定されるが、自分の手で自分の首を絞めて自殺するというのは、明らかに尋常な精神ではない。また、同じ位の時刻に、水明行乃という少女が街を徘徊していたという情報が出ている。

■カレン・クリアロードについて(最初は調査できない)
使用技能:【交渉】【表現】
判定値10:"カレンデュラ"という識名を名乗る、《偽世界》出身の魔術師。かつて恋人を喪った事があり、それを今でも引き摺っている。破滅願望を持ち、生産性のある事を厭う。
判定値12:今回の行動は、完全に彼女の独断であり、《神殿》の意思とは全く関係しないらしい。
判定値14:水明行乃と全く同じ容姿を持つ。《偽世界》出身であることから、水明行乃の対存在だと考えられる。対存在とは、この世界とは別ながらも、最も近い世界、《偽世界》に存在する、この世界の人間と対になっている存在である(用語集の「偽世界」の項目を参照)。

▼パート11:偽りの裁き
自動登場:PC② 登場可否:不可
解説:
 学校に来たPC②が、正輝と会話するパート。
描写:
 翌日、学校に来たPC②。教室には、ここ何日か無断欠席していた正輝の姿が見られた。
 他の友人達に囲まれ、心配されている様子だ。
 彼は、PC②の姿を見るや否や、こちらへ駆け寄ってきた。
正輝「よう、数日振りだな」
正輝「いやぁ、ちょっと友達の家に泊まっててさ。今日の朝、家に帰ったときは滅茶苦茶怒られたよ。"あんたはそんな事する子じゃなかったのに"ってさ。俺の事を何だと思ってるんだか」
正輝「……ちょっといいか。二人で話がしたいんだが」
 そう言うと、正輝はPC②を空き教室に連れて行った。
正輝「さて、もう勘付いてるんだろ、俺がマトモじゃないって。トボけなくていいんだぞ。俺だって、自分の事を嗅ぎ回られてりゃ気付く」
正輝「俺は、アイツと、水明行乃と一緒に居た。アイツは苦しんでた。だから、助けなきゃいけない」
正輝「俺は決めたんだ。もう、"二人死んでるんだろ"? だから、俺はそんな事をした奴を裁かなきゃいけない。そうすることで、行乃を助けられるんだ」
(行乃がカレンである事を説明すると)正輝「嘘だ、それは違う。俺は、俺を信じてくれたアイツを信じる」
正輝「済まないな、こんな話して。でも、俺はもう、戻れないんだ。考えるのが嫌になっちまった。わざわざこんな事話す為に学校に来たのは、ちょっと迷ってるからなのかも知れないが」
 そう語って、すぐ何処かに去ってしまう。
・PC②は、目的を「御影正輝を止める」に変更する。

▼パート12:告解
自動登場:PC① 登場可否:不可
解説:
 PC①が行乃に呼び出され、会話するパート。
描写:
 PC②と同様、学校に来たPC①。しかし、行乃は今日は学校に来ていないらしい。
 結局、放課後まで学校に来なかった彼女だが、PC①の携帯電話に着信が来る。それは、行乃からであった。
行乃「PC①……いきなり電話してごめんね。今、近くの公園に居るんだけど、その、来てくれないかな。何か学校行き辛くって」
 PC①が学校に行くと、ちょうどパート9のように、行乃がブランコをこいで待っていた。ただ、放課後の時間帯なら、近所の子供等が居ても不思議ではないのに、ここには彼女とPC①以外の誰一人として居なかった。
行乃「ねえ、PC①……私、おかしくなっちゃったみたい」
 PC①は、特異能力者の勘により、そう言う彼女が特異能力に目覚めていることを理解する。
行乃「昨日の夜、私と同じ見た目の女の子に会ったんだ。あの子と会ってから、"全てをブチ壊してしまいたい"なんて思うようになっちゃってさ」
行乃「いや、本当は昔からずっとそう思ってた。ただ、抑えが利かなくなっただけで」
行乃「それで、私が大嫌いだった奴を呼び出したんだ。それで、"死ねばいいのに"って思ったら、本当に死んじゃって」
行乃「私、人を殺しちゃった。もうどうしたらいいのか分からない」
 会話をしていると、正輝がやってくる。
正輝「PC①か……。今すぐその女から離れろ」
 そう言うと、正輝は《シーンアウト》を用いて、行乃をさらって行く。
・PC①は、目的「水明行乃を救う」を取得する。

▼パート13:断罪
自動登場:なし 登場可否:不可
解説:
 カレンが正輝に行乃を殺させようとするシーン。
 なお、カレンが登場しているため、パート開始時に崩壊率を[オープン1]だけ上昇させる。
 また、このシーンで視点分離を行っておくと、情景から、位置が概ね予測できるようになるため、パート14における判定が容易になる。
描写:
 乱立するビル群のうちの一つの屋上に、行乃と、もう一人の行乃を護るような位置に立っている正輝。
行乃(カレン)「お願い、正輝。私を解放して……!」
 戸惑うような様子を見せつつも、行乃に迫る正輝。
 プレイヤーにパートを終了してよいか確認した上で、終了する。

▼パート14:追跡
自動登場:PC③ 登場可否:可
解説:
 PC③がアルバートからの連絡を受けるパート。
描写:
 PC③の携帯電話が鳴る。魔術学会のアルバートからのものであった。
アル「PC③。調査の結果はどうですか?」
(情報収集の結果を説明すると)アル「なるほど。ああ、こちらで派遣した調査員が新たな情報を掴んだようです。どうやら"カレンデュラ"は櫻岡市東部のオフィスビル街に居るようです」
アル「ただし、恐らく精神操作魔術を応用した視界統制魔術によるものか、具体的な居場所は掴めないまま、連絡が途絶えてしまいました。申し訳ない」
アル「"上"と掛け合ったところ、あなた方ならば、それを突破する力は十分にお持ちだと聞きました。早急に捜索をお願いします」
 その後、カレン達の居場所に向かうことになる。

・PCの誰かが、判定値20以上の判定に成功することで、居場所を特定できる。
使用できる技能は、思考によって魔術をデコードする【思考】や、優れた感覚でもって気配に気付く【感知】や、意志の強さで視界統制を突破する【意志】等から、キャラクターに適切なものを選択する。
但し、パート13で視点分離を行っていない場合、位置を絞れず、動き回る必要があるため、【運動】か【耐久】か【運転】で判定を行い、20以上の判定値を出さなければ、上記の判定に参加できない。

 誰かが居場所のビルを特定すると、パートが終了する。誰も出来なかった場合、再判定を行うが、この時点で行乃の死亡は確定する。

■クライマックス・フェーズ
▼パート15:対峙
自動登場:全員 登場可否:-
解説:
 カレン達との決戦を行うパート。
 パート開始時に崩壊率を[オープン1]だけ上昇させる。
描写:
 ビルの屋上に着いたPC達。
(パート14で全員が判定に失敗し、1度でも再判定を行った場合)
 そこには確かに、カレン、正輝、そして、正輝が持つ剣で腹部を貫かれた行乃が居た。
行乃「痛い……痛いよ……。これは、きっと、罰なんだよ、ね。ずっと悪い考えを持ってた私が、いけないんだよね」
 そう言って息絶える行乃。
(パート14で誰かが判定に成功し、再判定を行わなかった場合)
 そこには、ビルの端に追い詰められる行乃、行乃と同じ容姿の少女、カレン、そしてカレンを護る形で傍に立っている正輝が居た。
行乃「PC①!」
正輝「何しに来たんだ、PC②」
カレン「皆、寄ってたかって私を苦しめる。私にだって、気に障るものを取り除く権利はある筈なのに」
カレン「ねえ正輝、私を護って」
正輝「ああ。お前は俺が護る」
(説得しようとすると)正輝「今更引けるか! コイツは俺を必要としてくれたんだ!」

 戦闘を行う。PCは基本的には全員、戦闘用スクウェアの4-Bが初期位置となる。敵対キャラクターとして、御影正輝を4-Fに配置し、カレンを4-Gに配置する。行乃は戦闘に参加しない。
 また、3-Dに、配下の戦闘魔術師B2体を呼び出す。
 正輝の表出モードはワンド(クラブ)、カレンの表出モードはカップ(ハート)である。
 カレンを撃破した時点で、正輝は戦意を喪失するため、戦闘は終了する。

(正輝が倒された場合)正輝「済まない……護れなくて」
正輝「やっぱり俺って、ダメな奴だな。狂ってるよ、本当に」
(カレンが倒された場合)カレン「どうしてよ……? 私何も悪くないのに」
(行乃の方を見て)カレン「あの子が許せなかった。だって、私は全てを無くしたのに、あの子は、こんなにも思ってくれる人が二人も居る。ズルいよ、私と同じくらい、ろくでなしなのに」
カレン「だから、せめてあの子の目の前で、全てを奪ってやったら、私も救われるかなって」
カレン「どうにでもすればいい。どうせ、もう終わりだし」
 カレンはそう言うと、気絶する。行乃に掛かっていた精神操作魔術の効力が消え、記憶修正が働いていく。
行乃「PC①……ありがと」
行乃「でも、私、何をどうしてたんだっけ……? 何だか不思議な力に目覚めていた気がするけど、どんな風にやってたのか、全然思いつかない」
 PCが事後処理を決めると終了。

▼パート16:睥睨
自動登場:なし 登場可否:不可
解説:
 V∴G∴の面々が、同じ《偽世界》出身の魔術師であるカレンを見限る描写を行う。
 なお、彼らは特異存在であるが、これからすぐに帰還するため、崩壊率の上昇は必要ない。
描写:
 戦場となっていたビルとは別のビルの屋上。
 そこには、幾つかの死体と、それに見向きもせず、カレン達の居た方を眺める数人の男女。彼らは皆、白を基調とした制服のようなものを着ていた。
金髪の少女(アマリア・シュロスシュタット)「情けないの。もうちょっと荒らしてくれるかと思ったのに」
銀髪の男(ゲルハルト・アルトマン)「助けなくていいのかい、"魔術師(メイガス)"アマリアちゃんよぉ。一応"過激派"に属するヤツなんだから、俺達の仲間って事になるぜ?」
アマリア「負けたヤツは仲間でも敵でもないよ。でもまあ一応、報告くらいはするべきなワケだし、早く帰ろうよ」

■崩壊表適用
 崩壊率を参照して、崩壊表を適用を行う。適用の結果に応じて、エンディングの演出を適宜変更するとよい。
 例えば、人間が消滅した場合には、クラスメイトが一人ほど消え去った事にしても良いし、街が消滅した場合には、地図などで描写を行うとよい。

■エンディング・フェーズ
 エンディングは、セッションの展開によって大きく変わる場合があるため、これらの描写は、参考程度に留めておくとよい。
▼パート17:選択
自動登場:PC⑤ 登場可否:不可
解説:
 事件終息の翌日、東岸定理が、PC⑤の報告を聞くパート。
描写:
 東岸家の屋敷の、居間にて。
 PC⑤は、東岸定理の前に座っていた。
 テレビでは、未だに、変死事件に関するニュースが流れていた。
 PC⑤を見つめ、話し始める定理。
(何も崩壊しなかった場合)定理「とりあえず、今回は、世界への被害は軽微で済んだようね」
(小規模な崩壊が起きていた場合)定理「何があったのか詳しくは詮索しないけれど、世界の崩壊が起きたみたい。ニュースにはならないけれど、私はここに居ても分かるのよ。そういうのには敏感だから」
定理「まあ、この程度なら、暫く《確率の空》への刺激を控えれば、"瑕"は塞がるでしょう。勿論、消えたものは戻ってこないけれど」
定理「何にしても、今回は助かったわ。それで、彼/彼女……PC①はどうだった? 力はありそうだった? 意志はしっかり持てていたかしら?」
定理「私はPC①のような存在に、しっかりとした意志を持った上で生きて欲しいだけ。勿論、あなたにもね」
定理「其れは、流されているだけの者が持つべきではない力だから」
 会話を終えると、パートが終了する。

▼パート18:烈花への報告
自動登場:PC④ 登場可否:不可
解説:
 PC④が、神領烈花に呼び出され、報告を行うパート。
描写:
 神領烈花の屋敷にて。
 PC④は、烈花の和室で、彼女への報告を行う。
烈花「お疲れ様でした、PC④さん。例の魔術師は、どのような処遇に?」
(報告を聞くと)烈花「そうですか。聞くところによると、街で不審な死体が見つかったという話ですが、その関係者でしょうか?」
烈花「街に被害が出てしまったのは悔しいところですが、致し方ありませんね。脅威を排除できただけでも十分です」
烈花「あのような存在を放逐する事こそが、斑鳩機関の存在意義ですから、それを達成することが第一目標なのです」
烈花「私の方は、例の魔術結社との交戦は少々激化しましたが、何とか解体に成功しました。あまりに抵抗が激しく、全員殺害する形になりましたが」
烈花「私は世界大戦時に、"鬼神"と呼ばれたことがありますが、何も、心まで鬼畜な訳ではありません。ただ、そうするしかないのなら、腕を折り、脚をもぐ事にも躊躇いが無いだけです」
烈花「そういう訳で、少々疲れたので休憩しますけど、一緒にお茶でもどうです? 自慢じゃないですけど、私の屋敷の庭は美しく、心が安らぎますよ」
 会話を終えるとパートが終了する。

▼パート19:魔術学会への報告
自動登場:PC③ 登場可否:不可
解説:
 PC③が、魔術学会櫻岡支部に呼び出され、アルバートに報告を行うパート。
描写:
 場所は、例の(オープニングで登場した)会議室。アルバートは、疲れた顔で待っていた。
アルバート「お疲れ様です、PC③」
アルバート「まさか、例の魔術師、完全に独断で行動していたとは。何にしても、許しがたいことですが」
アルバート「こちらにも数人の被害が出てしまいましたし」
アルバート「今回は《神殿》が直接干渉した訳ではないようですが、むしろ、奴らは動けば今回以上にろくな事になりませんから、まだマシだと言ったところでしょう。こんな事を言うと、犠牲者に申し訳が立ちませんが」
アルバート「とにかく、連中は社会にとって癌です。放置しておけば、段々と侵食していく。本来ならば早急に取り除くべきなのですが、力があるだけに、中々そうもいきません」
アルバート「まあ、連中の事はいいでしょう。上への報告は私が行っておきますので、あなたの仕事はこれで完了です」
 会話を終えるとパートが終了する。

▼パート20:執着
自動登場:PC② 登場可否:不可
解説:
 学校に来たPC②が、正輝と会話するパート。これは、正輝が生きており、学校に通える状態である場合の想定である。もし死亡している場合は、学校の、彼のいない教室の描写を行うとよい。
描写:
 翌日、学校に来たPC②。教室には、いつも通り、友人に囲まれている正輝の姿が見られた。
 彼は、PC②の姿を見ると、暗い表情をしながらも、声を掛けた。
正輝「よう、PC②。なあ、ちょっといいか」
 そう言うと、正輝は廊下を指差し、再びPC②を空き教室に連れて行った。
正輝「俺を、殴ってくれないか?」
正輝「俺は狂ってた。自分を認めてもらいたくて必死で、それをしてくれるアイツに狂ってた。何にも見えてなかった」
正輝「勿論、こんなのは俺の、"許してもらいたい"というエゴなんだろうさ。でも、"まるで何も無かったかのように"振舞ってる水明を見てると、おかしくなりそうなんだ」
正輝「お前には迷惑かけた。もう、アイツの事は忘れることに……なんて簡単に出来たら苦労しないけどな」
正輝「アイツにとっては、PC①位しか、重要な人間じゃないんだろう」
 会話を終えるとパートが終了する。

▼パート21:悔悟
自動登場:PC① 登場可否:不可
解説:
 学校に来て、行乃と会話するパート。これは、行乃が生きており、学校に通える場合の想定である。死亡した場合、パート22を描写する。
描写:
 夕方、学校の教室にて。
 ホームルームは終わったのに、行乃はいつまでも机に突っ伏していた。朝からこんな調子だ。
(声を掛けるか、暫くすると、顔を上げて)行乃「私、どうしちゃったんだろう」
行乃「昨日、学校に行かなくて、凄く怒られて。でも、なんでそんな事になってたのか、全く思い出せないんだ」
行乃「何だか、忘れちゃいけない事を忘れてる気がする。悪い事をしてしまった気がする」
行乃「PC①は何か知ってる……って、そんなワケないか。私の知らない事なんか分かるワケないよね」
行乃「でも、よく分からないけど、何かPC①に助けられたような気が……助けられた? よくわかんないや」
行乃「それより、ホントに進路希望どうしようね。"お嫁さんになる"なんて書いたらダメかな? まあ、誰も貰ってくれないと思うけど」
 会話を終えるとシナリオが終了する。

▼パート22:犠牲
自動登場:PC① 登場可否:可
解説:
 行乃の葬式に参列するパート。これは、行乃が死亡した場合の想定である。
描写:
 PC①は、行乃の葬式に参列していた。
 他に居る参列者は、家族と、彼女の担任、そして制服姿の、黒髪の少女(東岸定理)だった。
 葬儀が終わり、葬儀場から出ていくPC①達。雨の降る中、両親が会話していた。
父「よく分からんが、あの馬鹿娘が死んで楽になったわ。それを思えば、葬儀代くらいは払ってやってもいいって気分になってくるな」
母「ウチも稼ぎがそんなにあるワケじゃないしねぇ……」
父「アイツが身体でも売ってくれれば良かったんだが」
 そんな会話をしながら立ち去っていく。
 すると、PC①へ、定理が話しかけてくる。
定理「彼女、あなたの友達なのね」
定理「力を手にしても、どうにもならない事はあるわ。むしろ力があるからこそ、欲が出てくるものよ」
定理「今回は失敗してしまったみたいだけれど、こういう選択は、人生が終わるまで続くわ。あなたが全てを失って、選び取ることを諦めるまで」
定理「ともかく、今は帰って休みなさい。お疲れ様」
 会話を終えるとシナリオが終了する。

・シナリオが終了した後、記録シートの「経験点計算表」を、GMや他のプレイヤーが評価しつつ埋めていく。なお、「目的を達成した」の経験点は、いずれも10点である。

  • 最終更新:2017-06-14 14:58:39

このWIKIを編集するにはパスワード入力が必要です

認証パスワード