進行リスト3

■シナリオ概要
 ここでは、シナリオのあらすじ・解説を示す。
 想定される結末まで記述されているため、シナリオ概要と進行リストは、プレイヤーに公開してはならない。

 ヒロインの月下灯は、不治の病で死亡することへの恐怖によって、シナリオ開始よりもかなり前から、無自覚に「救済」の特異能力に覚醒している。
 この異能によって彼女は、不思議と周囲に好感を抱かれるような少女となり、オープニングではこの能力を無意識にPC①にも使用してしまう。
 このことを彼女は気づいていないが、何となく不自然に自身が好かれることに違和感を抱いてはおり、ふと「もしかするとPC①も、本心では自分と仲良くしたいとは思ってないのではないか」と悩むことがある。
 とはいえ、彼女は「助かりたい」という最大の願望を決して失うことはないため、基本的には常に前向きだが、それが祟って、余命を宣告された時にはそのショックで一時的に異能を強化させた。この際、「救済」の効果が「周囲を助けさせる」のではなく「助けてくれる存在を呼び出す」となったことによって、異世界の吸血姫「フィラデルフィア」を、舞台となる現代世界に呼び出してしまう。
 フィラデルフィアは、灯の「救済」の能力によって彼女に「魅了された」とでも言うべき状態になっており、灯を助ける為に、行動することになる。
 しかし、フィラデルフィアの考える「一年後には病で死ぬしかない灯を助ける方法」は、「彼女を悩ませる存在を全て消し、また、いずれ死亡する彼女の代わりとして生きる」という、灯の主観としては何ら救いになっていない「救済」の方法であった。
 
 一方で、フィラデルフィアは本来持っている本能的な残酷性も失ってはおらず、血液を得るために容赦のない無差別殺人行為を繰り返しており、これが魔術学会に目をつけられる原因となる。
 この際、彼女は偶然出会った鳴神修を殺そうとしたが、彼が従う意思を見せたため、自身の「眷属」として生かしてやることにした。
 魔術師、鳴神修は、魔術学会の意向に従い、表社会では普通の学生として生きているものの、「強いものが弱いものに合わせて大人しくしている」という在り方に苛立ちを覚えていた。その為、フィラデルフィアが奔放に暴虐を振るう様に憧れたのであった。
 
 本シナリオにおける事件は、鳴神修が行方をくらまし、また、フィラデルフィアが「灯として生きる」ことを始めるために、灯の代わりに学校にやってきた所から始まる。
 そして、灯が気にしている相手であるPC①を殺害しようとするが(半ば、嫉妬心と言っても良い感情で)、死亡することはなく、PC①が特異能力に覚醒する。
 その後、鳴神が自身の魔術で操った、魔術テロリスト「メンター」の死体を、戯れに学校に襲撃させる。
 情報を集め、鳴神がフィラデルフィアと行動を共にしていることを突き止め、彼の家に向かうと、そこには何故か(パート6でフィラデルフィアに浚われている)灯も居た。
 鳴神を撃退し、灯を救い出すものの、フィラデルフィアに取り返されてしまう。
 二人の居場所を把握し、追い詰めて倒すことで、事件は終息する。


※進行リストの見方
 シナリオは、進行リストを一つずつ演出していく事で進む。
 各パートには、「自動登場」が設定されており、そこで指定されたPCは、そのパートの開始時に、自動的に登場することになる。
 また、「登場可否」は、自動登場で指定されたPC以外のPCが登場できるか否かを示す(不可である場合は登場不可能)。ただし、PCの設定や状況等が適切だと判断した場合、GMは他の特定のPCが登場することを許可または推奨してもよい。登場は、宣言するだけで、任意のタイミングで行える。
 パートの「解説」には、そのパートで描写・処理すべき事の概要や特記事項が記述されている(こちらは、GMが把握するためのものであり、読み上げないのが基本となる)。また「描写」では、具体的に演出する内容や、行うべき処理が書かれているため、それを読み上げ、処理しつつ、適宜反応を窺ったり、反応によっては一部を省略する等して演出するとよい。勿論、状況次第で、独自の演出や処理を加えても構わない。

■オープニング・フェーズ
▼パート1:その月に契約を
自動登場:PC①(途中から) 登場可否:不可
解説:
 灯とフィラデルフィアが出会うパート。また、途中から、PC①が灯に能力をかけられる描写も行う。
 なお、回想であるため、フィラデルフィアがパートに登場していることによる崩壊率上昇は行わない。
描写:
 崩壊率上昇は回想なので無し。
 夜。中世ヨーロッパ風の街並み。月明かりに照らされる、塔の上に立つ金髪の少女。
 目を瞑ってそこから飛び降りる彼女。
 ノイズが走り、場面が変わる。
 夜。どこか、病院のような場所。
 窓の桟(さん)の上に座る、長い金髪の美少女。
 誰かが何かを判定し、失敗する。(フィラデルフィアが灯に魅了されたことの演出となる。)
フィラデルフィア「フィラデルフィア……それが私の名前? "兄弟愛"とは忌々しい名ですけれど、まあ、そういう事にしておきましょう」
フィラデルフィア「あなた、面白い人間ですのね。気に入りましたわ」
 窓から飛び降り、立ち去っていく、真っ白なワンピースに長い金髪、赤い眼の彼女。
 ノイズが走り、場面が変わる。(ここでPC①に登場を要請する。)
 中学時代のPC①と灯。この時、彼女はまだほぼ健常者と変わりない生活をしていた。
生徒達「え~一緒に帰ろうよ~灯ちゃん」
灯「ごめんね、今日は二人にさせて」
生徒達「なんだよPC①ばっかり……」
 二人で下校しながら、ふと、彼女は妙なことを言う。
灯「ねえ、PC①さ。私、まだこうやって普通に動けてるけど、いつ病気がひどくなるか分からないんだってさ」
灯「"学校なんかいいから休め~"なんてママは言うけど、うちお金無いし、そんな甘えたことしてられないよ」
灯「でもさ、聞きたくないかもしれないけど、君だけには言える」
灯「もし私が追い詰められて、もう駄目だって事になった時……君は……助けてくれる?」
 シナリオ攻略については何ら意味が無いことを説明した上で、PC①には【意志】で20の判定をさせる。これに成功した場合、PC①は「心から」彼女に優しくしていることになる。
 失敗した場合、彼女の特異能力によってPC①は「彼女の助けになろうとしている」ことになる。
 答えを聞いたらパート終了。

▼パート2:神の御心のままに
自動登場:PC④ 登場可否:不可
解説:
 PC④がカンナガラから任務を受けるパート。
描写:
 早朝の東京。霞ヶ関のあるビルの最上階。
 殆ど何も無い一室のデスクの椅子に、男と少女――惟神の高官、福羽聖司(公式NPC参照)と、彼の使役する《神性》、貴狐天皇が座っている。
聖司「ああ、PC④かね、ご苦労さん。調子はどうだ?……なんて聞くもんじゃないな」
聖司「さて、今回あんたを呼び出したのは他でもない、仕事の話だ」
 貴狐がPC④に近寄って何枚かの名簿のような資料を渡しつつ「自分で歩かんかボケナス!」等と聖司を罵っている。
聖司「そいつら、メンターなる魔術結社の調査をして欲しい」
聖司「あれこれ考えを持ってはいるようだが、要は、強盗なり殺人なりを表社会で働く、典型的なテロ集団だ」
聖司「ま、小物も小物だし、何より魔術テロなんてのは学会の連中の領分だが、手を出してきた以上は俺達が黙ってるワケにもいかんのよ。社会貢献ってやつだ」
聖司「連中が潜伏していると目される場所は櫻岡市。都内だからそう遠くはないが、具体的な場所はまだ分からん」
聖司「こちらでも何か分かったら連絡する。よろしく頼む」
聖司「ああ、待った。一応、櫻岡市の学会支部の関係者について教えておく。(貴狐が資料を渡しつつ)PC②とPC③だ。何か知ってるかも知れない、出来れば協力してくれ。連中も無視は出来ない筈だからな」
 会話を終えるとパートが終了する。

・PC④は、目的「《導く者ら(メンター)》を追う」を取得する。

▼パート3:鮮血の蹂躙
自動登場:PC③ 登場可否:不可
解説:
 PC③がフィラデルフィアについての情報を得るパート。
描写:
 二週間前。
 あなたが櫻岡市のある階段を下りていくと、そこに張ってある魔術的結界から転位し、いかにも場違いな、ベルサイユ宮殿のような場所に出る。
 魔術学会は各地域に支部を持っているが、物理的な各施設そのものは全然異なる、"どこか"に在る。
 豪奢な廊下の一室に入るあなた。
 待っていたのは金髪の優しそう……というか苦労人のような男性、アルバート(公式NPC参照)。魔術学会上層部のメッセンジャー、悪く言えば雑用。
アルバート「ああ、こんにちは、PC③」
アルバート「すみません、少し……というか、それなりに頭の痛い案件がありまして……あなたの魔術師としての実力を見込んで、お頼みしたいことが。いえ、実質的には命令となってしまうのですが……」
アルバート「少し前に、フィラデルフィアという魔術師が学会に捕捉されました。彼女は各地で殺人を繰り返している危険な存在です。彼女の追跡と捕縛を頼みたいのです」
アルバート「血液操作の魔術を使うということ以外は詳細不明ですが、非常に能力が高いことは確かなようです」
アルバート「推定ですが、場所はこの辺りに。それではよろしくお願いします」(どこかの街が示された資料を渡しつつ)
 それから少し調査をしたPC③は、まるで身を隠すという発想が無いかの如く、簡単に彼女の居場所を特定した。夜になると近所の公園に現れるという。
 向かうと、公園で月を眺めている金髪の少女が。全身に血を浴びている。
 周りには不良風の男達の死体。足元で一人、生きている者が蠢いている。
不良(情けない声で血と鼻水を垂らして)「だ、誰か、たすけてよ……」
フィラデルフィア(スカートの裾を持ち上げて)「あら、ごきげんよう」
フィラデルフィア(全く気にも留めてない様子で)「この下衆な男達、わたくしに、はしたない事をしようとしたんですの。許せませんわ」
フィラデルフィア「あなたはどなたですの?……いえ、失礼、先に名乗りましょう。わたくしはフィラデルフィア」
フィラデルフィア「申し訳ないのですけど、憂鬱なことがあって少し疲れてしまいました(不良の死体を見ながら)。何もせず、見逃してくれませんか?」
 演出で攻撃或いは捕縛をしようとすると、魅了を使う。【意志】15の判定に成功すると、咄嗟に演出で攻撃が出来る。成功すると彼女は傷つくが、異常な脚力で足元の不良を蹴り上げて首筋を噛み千切り回復する演出が入る。
 失敗すると、彼女の現実離れした美貌と雰囲気にあてられて惚けてしまう。

 それから現在。二週間ぶりに、学会の使者アルバートに、同じ場所へと呼び出されたあなた。
アルバート「PC③、至急の依頼です!」
アルバート「あなたに調査を依頼していた魔術師、フィラデルフィアの足取りが、具体的とは言えずとも掴めました。現在は東京近郊、櫻岡市のどこかに居るようです」
アルバート「追ってください。以前は彼女を捕縛しろと依頼しましたが、場合によっては殺害もやむを得ないと、上は考えています。どうかお願いします」
 会話を終えるとパートが終了する。

・PC③は、目的「フィラデルフィアを追う」を取得する。

▼パート4:魔術師たちの日常
自動登場:PC② 登場可否:不可(途中からPC③は登場可能)
解説:
 PC②が、魔術学会から依頼を受けるパート。
描写:
 何週間か前。
 学校での昼休み。それぞれが弁当を食べていると、鳴神がPC②の席に寄ってくる。
 周りが「うわぁご愁傷様」みたいな顔している。
鳴神「おい、昼飯、付き合え」
鳴神「群れていないといけない連中など下らんと思うが、視線が鬱陶しくてたまらんのでな」
鳴神(苛々した様子で)「なあ、正直、下らんと思わないか?」
鳴神「俺達、魔術師は、魔術学会とかいうイカれた奴らの指示で、基本的には表社会のクソ共に迷惑とやらをかけないように生きている。そう、迷惑をかけた奴らは学会の犬に始末されるからな」
鳴神「全くもって馬鹿馬鹿しい。魔術師は凡人どもよりも強い。力を使って支配してしまえばいいのだ。お前もそう思わんか?」
 その後、そこそこ可愛い女子が寄ってくる。「カッコいい男」と「ダサい男」の話ばっかりしてる、ビッチなことで知られる女子。見た目は良いのでそこそこ人気。
女子「あっ……鳴神くん!」
鳴神「なんだ貴様」
女子(あざとい感じで)「あ、あの……実は、鳴神くんの事ずっとカッコいいと思ってて……だからその、付き合って欲しいなって……」
鳴神(舌打ちして)「さっさと失せろ。貴様は俺の何を知っていて、そんな戯言をほざいている」
女子(立ち去る)「はぁ!? せっかく私が付き合ってって言ってるのになんだよこのクソぼっち!」
鳴神「くだらない……」

 それから現在。一週間ほど前から鳴神は学校どころか、魔術学会にも来なくなった。
 PC③のオープニングと同じ場所、魔術学会の宮殿のような施設の一室に入る。(PC③はそこに居てもよい)
アルバート「ああ、こんにちは、PC②」
アルバート「実はあなたにお願いしたいことがって、来ていただきました」
アルバート「ルーラーズグレア……鳴神修が現在どこに居るか、あなたに心当たりはありませんか?」
アルバート「こちらでも彼の現状を捕捉できなくなりました。魔術結社と魔術師の統一的な管理を目指す我々にとって、こういうことはあってはならない事なのです」
アルバート「何もないだろうと断定するのは簡単ですが、そうも行かないのが我々、魔術師という存在です。彼を捜索して貰えませんか?」
アルバート「(調査員の境界魔術に反応するため)恐らく市外には出ていないと思われるのですが……」
アルバート「PC③に調査してもらっていますが、現在、フィラデルフィアという大変危険な魔術師、さらにはメンターなる魔術テロ集団までもが市内で活動していると見られ、我々魔術師としては緊張状態にあります」
アルバート「鳴神君が何事かに巻き込まれた……と考えて心配しすぎる事はありません。早急に見つけ出し、彼を我々の観測下に連れ戻してください」
アルバート「おふた方には別々の対象を調査して頂く事にはなっていますが、市内で活動するならば互いに協力するのが妥当でしょう」
 会話を終えるとパートが終了する。

・PC③は、目的「鳴神修の行方を確かめる」を取得する。

▼パート5:灯
自動登場:PC① 登場可否:不可
解説:
 PC①が、灯と会話するパート。
描写:
 PC①が学校から病室に見舞いに行く。
灯「おつかれさん、PC①。今日は学校で何かあった?……なんて、そうそう何か起こるわけでもないよね」
灯「鳴神くんは相変わらず浮いてるの? PC②とかはどうしてる?」
灯「私は一ヶ月も居られなかったけど、あのクラス、明らかに変な人多かったよね。私も出来れば復帰したいなぁ……なんて、無理なんだろうけどね」
灯「あぁ~誰か、どうしようもない病気とかそういうの丸く治めて助けてくれないかなぁ……なんてね。何かと人に頼ってばっかなの、駄目すぎるよね」
 などと言いながら、脇のテーブルの上に置いてある本を、笑顔で抱き締める。
タイトルは『フィア姫と夜の国の民』。
灯(内容を聞くと)「これ、私のお気に入りの絵本。絵本なんて子供っぽいと思うでしょ?でも好きなんだ。フィア姫が血を一滴貰う代わりに、姫の兄弟に虐げられてる人を願いを叶えて救うの」
灯「私もお姫様に助けて欲しいなぁなんて子供っぽいこと考えたりしてる」
 暫く会話した後、翌日の学校、朝。
 今日も、灯が三週間くらい座っていた、あなたの隣の席は空いている。
 朝の変わらぬ喧騒。そんな中に若い女の先生が教室に入ってくる。
先生「えー、本日はひじょうに、喜ばしい出来事がですねぇ」
 教室に入る足元が見えたところでパート終了。

▼パート6:姫よ、願いを叶えたまえ
自動登場:なし 登場可否:不可
解説:
 フィラデルフィアが登場しているため、パート開始時に崩壊率を[オープン1]だけ上昇させる。
描写:
 パート5の前日。
 夜。どこか、病院のような場所。窓の桟(さん)の上に座る、長い金髪の美少女。
「ねえ。良いことを思いつきましたわ」
「あなたを救って差し上げる、冴えたやり方」
「こんなところで惨めに先のない生を繋ぐあなたに、未来を作って差し上げましょう」
 室内に手を伸ばす。

■ミドル・フェーズ
▼パート7:指令
自動登場:PC④ 登場可否:可
解説:
 PC④が、聖司と会話するパート。
描写:
 PC④の元に電話が入る。
聖司「PC④、緊急の情報だ、簡単に伝える」
聖司「偵察に向かわせたクソギツネがたまたまメンターの連中を見かけたらしく、ボロボロで帰ってきやがった。何人かのメンバーの外見が資料と一致している。場所はここだ(学校の近くを指し示している添付画像)」
貴狐「あいつらゆるせんっ! クソッ今すぐにでも八つ裂きにしてやるわっ」
聖司「お前がその気でも、お前を出してる俺の体力が持たねぇっつってるだろ!」
貴狐「あいつら、誰かと交戦したのかズタボロの割りには妙に俊敏に動きおって! ああ、連中、近くの学校に向かっているようじゃ」
 会話を終え、PC④が学校に向かうとパート終了。

▼パート8:来訪
自動登場:PC① 登場可否:可
解説:
 PC①のパートの続き。先のパートより数時間過去となる。
 フィラデルフィアが登場しているため、崩壊率を[オープン1]だけ上昇させる。
 しかし、記憶修正によって、PC①と他の一般生徒には、それが灯であるかのように見えている。
 ここでは、メンターの構成員が起こした騒ぎに駆けつけるなどして、PC全員が登場するとよい。
描写:
 廊下から教室に入ってきたのは、何か、人とは認識できるものの、誰とも顔が一致しない者。PC①にはノイズのように見える。
教師「なんと月下さんが学業に復帰するんです!!先生うれしくて涙がぁ」
灯?「あ、その……よろしくお願いします」
 そう言うと、その場に灯が居るのだと皆は認識した。
 PC①以外のPCには、それが金髪の少女に見えている。PC①は「灯ってこんなんだっけ?」と思いつつも、なんとなく灯に見えてる。
灯?(PC①に駆け寄って手を掴み、笑顔で)「病気なんか治っちゃったけど、久しぶりに病院出て色々不慣れだから、色々助けてね」
 他の生徒は「久しぶりに見たけどやっぱ可愛いよな~」とか「病気治ってよかった」とか「何だよPC①ラブコメの主人公かよ」とか他人事みたいに言ってる。
 それからPC①にデレデレする灯。適当なところでPC①に駆け寄って、突如として刃物で突き刺すが、特に演出が思いつかなければ、昼休みに「屋上でご飯食べようよ」などと誘った上で、屋上にて、急に抱きしめて刺し殺す。
 PC①は、唐突に自身の腹部に激痛が走り、血が噴出するのを感じる。PC①のHPを0にする。
灯?「灯はあなたについて悩んでいらしたの。つまりは彼女にとって、あなたは邪魔ということでしょう。だから、悩まなくて良い環境を作るのですわ」
 PC①は、急に妙な感覚を得た。妙に地に足のつかない、ふわふわした感覚。身体が自分のものでなくなったような感覚。今なら、死んでも死なないことすら出来てしまいそうだと感じる。
 ここで特異能力に覚醒し、《死殺》が行えるようになる。ここでは、特例的にPC①はHPを全回復してよい。
灯?「……? 確かに殺した筈っ」
 そう言うと、少し遠くから銃声が聞こえてくる。
灯「……あのお馬鹿さんが。何を遊んでいるのかしら」
 シーンアウトを行うフィラデルフィア。
 同時に、人間離れした身体駆動でビルを伝って走ってきた数人の武装した人間――メンターの構成員が校庭に降り立つ。彼らは銃を向けて、驚いている生徒達を射殺しようとする。(この銃が魔術・特異的存在でないのは、普通に一般人から見えていることから分かる。)
 適切な演出を行えるような任意の判定で、PC三人が30出せば先制取って全滅させられる。出来なかったらPC全員に30点ダメージを与え、校庭に居た何人かの生徒が殺される演出が入る。
 処理と会話が終わるとパート終了。

▼パート:自由行動

自動登場:なし 登場可否:可
解説:
 情報収集等を行うパート。特に演出の想定はないが、時間的には、パート7の後から、夜までを想定している。
 なおPC①が病院に行くことを希望するかも知れない。その場合、既に灯はフィラデルフィアに浚われ、修の家に居るため、病室には居ないことを描写する。

■情報項目
■月下灯
使用技能:【交渉】、【知識】(PC1ならボーナス+1)
判定値10:市内の高校に在籍する少女。PC①という幼馴染が居る。現在は市内の病院に入院している……ことになっている。重病は幼い頃に姿を消した父親からの遺伝で片親だが、そういった面での不遇にも負けず、性格に影はなく、容姿もあいまって周囲から愛される、良い子。
判定値13:不自然な位に影がなく、"性格的に、「欠点がない」ということ以外に欠点がない"と評価されたことすらある。が、PC①にだけは昔から「誰か、私を助けてほしいなぁ」と正直な事を言っていた。
判定値16:誰にも伝えていないが、少し前に医師から余命を宣告されており、あと一年ほどで死亡するらしい。
⇒「月下灯の特性」について調査可能になる。

■月下灯の特性(この情報は、灯本人がシーンに登場していないと調べられない。)
使用技能:【思考】【感知】
判定値16:彼女は特異能力者である。かなり早い段階から「救済」の渇望を実現する能力に無意識に覚醒しており、彼女の周囲の人間は、妙に彼女に好印象を抱いてしまう。
特異や異能という考え方は無いものの、「不自然に好意的に見られる」ことはなんとなく彼女自身も気づいている。
判定値18:三週間前に余命を宣告されており、その際のストレスで一時的に能力が増幅されたのか、「助けられる」力が「助けてくれる人を呼ぶ」力となり、何らかの特異存在を呼び出したようだ。

■鳴神修
使用技能:【交渉】【知識】(PC2ならボーナス+1)
判定値10:市内の高校の生徒。見た目は良いが非常に高慢であり周囲を見下しているため、男女問わず、親しく接する者は少ない。家柄は良く、親が所有する別荘の大きな屋敷に、一人で暮らしている。
判定値13:魔術師の家の生まれであり、彼自身も生粋の魔術師であるからこその、「強者」としての誇りと家系への誇り、悪く言えば優越感を持っている。<ルーラーズグレア>という魔術名もその表れ。
肉体操作系魔術が得意。だが、実力に秀でているわけではなく、表社会でも魔術界隈でも大して相手にされていないことに苛立ちを覚えている。
⇒「鳴神修の動向」について調査可能になる。

■鳴神修の動向(PC2ならボーナス+1)
使用技能:【交渉】【知識】
判定値13:街外れの彼の屋敷に、妙に目立つ金髪の少女の来客があったという。
判定値15:フィラデルフィアが最初に会った魔術師は彼であり、この時も彼女は戯れと食事の為に殺害しようとしたが、彼がフィラデルフィアに従属する意志を見せたため、生かされた。
判定値16:二人でメンターの拠点を襲撃するなど、様々な面で行動を共にしており、外出していない時にフィラデルフィアが潜伏しているのも彼の家であろう。なおメンターは全員死亡しているが、彼が肉体操作の魔法で人形として操っている。
⇒「鳴神修の家」に行くことが可能になる。

■フィラデルフィア
使用技能:【交渉】、【知識】、【思考】
判定値12:三週間ほど前に突如として知られ始めた謎の少女。無差別殺人を繰り返している。魔術師とされているが、ただの憶測であり、実際には何者か全く分からない。
判定値16:その実態は、三週間前に世界に現れた特異存在であり、魔術師ではない。特異存在であるため、彼女自身が誰かの名を騙れば、一般人は記憶修正を受けるので彼女が本当にその人物であるかのように見えてしまう。
⇒「フィラデルフィアの正体と動向」について調査可能

■フィラデルフィアの正体と動向
使用技能:【交渉】、【知識】(知識ならボーナス+1)。
判定値10:『フィア姫と夜の国の民』という、マイナーな文学作品がある。「兄弟愛」を意味する名を付けられたフィラデルフィア姫が、圧制を引いて民衆を苦しめる兄や姉に反発し、民と「願いを叶えてあげる代わりに血を一滴貰う」という契約をして兄弟と戦うお話。
判定値12:『フィア姫と夜の国の民』には更にマイナーな原作があり、『フィラデルフィア記』という。リメイクでフィア姫は相当に美化されており、そこでの彼女は吸血鬼であるため血を大量に欲するし、兄弟に反発したのも正義感というよりは「吸血鬼の能力が劣っており、眷族を持てず人間を支配できない」ことからの劣等感である。
判定値18:偶然にも、フィラデルフィア記の内容は概ね実在する。彼女は吸血鬼である。性格は非常に残忍かつ横暴。容姿も、血を欲する性質も、その為に人間を容赦なく殺す性質も、吸血鬼であるからこその特質。灯の愛読書が「フィラデルフィア記」であったことから、たまたまそれに一致した彼女が「助けを求められる対象」として呼び出されてしまった。

■導く者ら(メンター)(PC④のみ)
使用技能:【交渉】、【知識】
判定値12:左派(さは)思想の魔術結社。社会は凡人どもではなく、魔術師が支配すべきだと考え、表社会をも巻き込む積極的な活動をしている。が、実質的にはただの危険テロ集団であり、大義名分を掲げて力を振るっているに過ぎない。
判定値15:少し前に、鳴神と思しき魔術師と、フィラデルフィアと思しき魔術師が、市内に潜伏していたメンターの拠点を襲撃している。拠点を追われていることから敗北したようだが、メンバーの死体は無いことから生死不明。
⇒「鳴神修」「フィラデルフィア」について調査可能に。
⇒パート終了時、パート9:指令がトリガーする。

■無差別殺人について
使用技能:【交渉】、【知識】
判定値12:フィラデルフィアが起こしているとされる、無差別殺人事件。無差別とはいうものの、若い人間のほうが多い。
判定値13:被害者は全員、身体の節々を切断され、血を抜かれて殺されている。地面に流れ出ているものもあるが、多くの血はどこかに行ってしまった。

■PC①について
使用技能:【交渉】、【知識】、【感知】、【思考】
判定値10:市内の高校に通う高校生。
判定値12:具体的な効果が分からないほど微弱だが、何らかの特異的干渉を受けているため、僅かに通常の理から外れつつある。つまり、周囲に何か、彼に対して何かをした、世界の法則から外れたものがある。
判定値14:PC①の周辺人物は月下灯、PC②、鳴神修。

▼パート9:指令
自動登場:PC④ 登場可否:可
解説:
「導く者ら」についての情報を取得すると突入する。
 PC④が、聖司と会話するパート。
描写:
聖司「PC④、今、いいか? 状況を聞きたいんだが」
聖司「なるほどね……連中が。しかし、死体が無いのは不審だな……」
聖司「PC④……今から少し無理を言うぞ。例の魔術師も潰せ。そいつが暴れていたという話はこっちにも来ている。ここまで来ると放置は出来んな」
貴孤「まーたこの坊主は戦闘員をこき使いおって……」「うるさいクソキヅネ」
聖司「何も一人でやれってワケじゃない」
聖司(PCの顔写真を送ってくる)「PC②、PC③。魔術学会の勢力。本来は奴らの領分の筈だ、あっちとしても本件に手を出さんワケにもいかねぇだろうな」
聖司「顔合わせの場が必要か? それとも、もう会ったか? どこに居るか分かりそうにないならこっちで手配してもいいが。一応、あっちの組織にもツテはあるんでね」
 会話を終えるとパート終了。

・PC④は、目的「フィラデルフィアを倒す」を得る。

▼パート10:追跡
自動登場:PC② 登場可否:可
解説:
 鳴神の家に行くことを宣言した場合に突入するパート。
 ここでは戦闘が行われるため、他のPCも登場する事が望ましい。
 ここには灯が居るが、鳴神の拘束魔術を受けているため、彼を退けるまで一切、移動することが出来ない。
描写:
 それなりに大きい、西洋風の屋敷。
 インターホンなど慣らしても誰も出ない。
 魔術的結界が存在するため、物理的に進入することは出来ない。魔術系クラスを取得している者が【思考】20で解除可能。
 床に様々なシンボルが描かれた大きな部屋。大量の死体があり、死臭が酷い。奥の方に、もう一つ扉がある。そんな中、いかにも苛立った顔をして扉に向かっている鳴神。
鳴神「貴様ら……PC①まで、何しに来た」
鳴神「まさか俺を追い詰めに来たのか? 学会の連中のやりそうな事だ」
鳴神(鳴神の動向に関する情報を抜いていると)「はは……ははは。魔術で死体なんか操ったのは初めてだけど、こんなに面白いなんて」
鳴神「そうだ。こいつらが悪いんだ。元々、群れて人間共から金を巻き上げるだけの雑魚クズ共だ。死体になっても仲良く群れて暴れていればいいんだ」
鳴神「俺は悪くない。強い俺にこうべをたれなかった連中が悪い。ああ何であんな奴らの為に空気を読んで合わせていたんだろう。馬鹿馬鹿しい。貴様らもやってみたらどうだ?」
鳴神「ちょうどいい。付き合ってやろう。なかなかこんな機会も無かったからなぁ!」

 戦闘を行う。PCは基本的には全員、戦闘用スクウェアの4-Fが初期位置となる。敵対キャラクターとして、D-4にメンター構成員、C-4にメンター構成員、鳴神が居る。
 また、戦闘用スクウェアの最も外側の周囲1マスは進入禁止スクウェアである。
 鳴神のHPを100削ると、「くっ、ふざけるな……こんなところで!」と言ってシーンアウトを使用。メンターはHPが残っていても死亡する。
 戦闘に勝つと、奥の扉が中から弱弱しく叩かれる。
 中には、灯が居た。
灯「PC①……! それにPC②も」
灯「鳴神くん……フィア……どうしてこんな事に……」
 会話を終えるとパート終了。

▼パート11:再会
自動登場:PC① 登場可否:可
解説:
 深夜。PC①と灯が会話するパート。途中でフィラデルフィアがやってくるため、そのタイミングで崩壊率を[オープン1]上昇させる。
 灯に関する情報は、このシーンの任意のタイミングで開示できる。
描写:
 どこかの場所。
灯「なんか、不思議なことばかり起こってて、ちょっと混乱してるんだ」
灯「最初はフィアだった。本の中にしか居ない筈の彼女が現れたなんてありえないことが起きたって思ったけど、おかしいなりに、夢が叶ったみたいで嬉しかった」
灯「でも、あの子は私を連れ去って、鳴神くんの所に連れて行って、それで鳴神くんは自分のことを"魔術師"だなんて言ってたし……変だよね」
灯「……とにかく、ありがとうPC①。助けてくれて。まさかこんな形とは思わなかったけど言ったとおりになっちゃったね」
 この時、オープニングでの出来事がフラッシュバックする。灯『もし私が追い詰められて、もう駄目だって事になった時……君は……助けてくれる?』
 シーンに登場している誰かは、通常通りに情報収集の判定を行うことで、彼女に関する情報を開示することが出来る。
 情報を開示したらシナリオが進行する。
 闇から溶け出すように灯の背後からフィラデルフィアが現れ、首を掴む。
灯「……え?」
フィラデルフィア(何かを言おうとする灯を無視して)「申し訳ないけれど、彼女は私の大切な人なの。返していただきますわ」
フィラデルフィア「どこへ行っても無駄。どこまでも追い続けるわ。あなたがどこに居るかなど、幾らでも分かりますもの」
 シーンアウトを宣言し、灯を連れてパートから退場する。

・PC①は目的「灯を救う」を得る。

▼パート12:殺戮の宴
自動登場:なし 登場可否:不可
解説:
 フィラデルフィアがPCを炙り出すパート。
 視点分離の使用想定。ここで使用しない場合、フィラデルフィアの《超越法則》の打ち消しに間に合わない。
 崩壊率を[オープン1]上昇させる。
描写:
 深夜の病院。
 中央にはフィラデルフィア。周囲には血だまり。
 何人もの入院患者が座り込んで居る。その中には灯も。皆、別に縄などで拘束されているわけでもないのに、金縛りにあったように動けないで居る。
 鳴神の魔術によるものだ。
修「……フィア、あいつら、来るのか?」
フィラデルフィア(一人殺しながら)「ええ。少なくとも、その子と話していたあの人は来る筈ですわ」
フィラデルフィア(一人殺しながら)「願ったのでしょう?"助けてほしい"と。だったら来ますわよ。嫉妬してしまいますわね。私に助けを求めたのですから、私だけを信じてほしいですのに」
 フィラデルフィアが《超越法則》を使おうとしたところでパート終了。
 
▼パート13:夜への肉薄
自動登場:PC③ 登場可否:可
解説:
 病院の屋上へ向かうパート。
描写:
・PCの誰かが、【交渉】【運動】【耐久】【運転】判定値20以上の判定に成功することで、居場所を特定できる。視点分離していれば居場所が分かるため、すぐ行ける。
 病院の屋上に向かうとクライマックス・フェーズへ。
 
■クライマックス・フェーズ
▼パート14:覇者の理
自動登場:全員 登場可否:-
解説:
 決戦を行うパート。
 パート開始時に崩壊率を[オープン1]だけ上昇させる。
描写:
 早朝。病院の屋上。
フィラデルフィア「この世界は少し眩し過ぎますわね。人間の出過ぎた文明の灯りなど不要ですわ」
 彼女は《超越法則》を使用する。効果は「自己が最高の力を発揮できる空間変形」。打ち消されなかった場合、周囲のあらゆる灯りが消え、代わりに月明かりが現れる。
 前パートで視点分離していると打ち消し可能だが、していない場合、打ち消しは不可能になる。
フィラデルフィア(打ち消されると)「無粋な……」
鳴神「PC②……貴様、飽くまで俺を止めようと……まあいい。先のようにはいかんぞ。フィアが居るからな」
鳴神「そうだ。彼女だ、彼女が教えてくれたんだ! 強い奴がやりたい事をやるのに理由は要らない。殺すにも理由は要らない。すべては弱いやつがいけないんだ」
フィラデルフィア「彼は愚かなりに、よく出来た人間ですわね。私がこの世界に来て出会ってきた凡庸な追っ手共とは違いますわ」
フィラデルフィア(動けずに怯えている灯を横目に)「ああ、お初にお目にかかる方も居ますわね。(裾を掴んで緩やかにおじぎ)私はフィア。夜の国の第六王女……なんて自己紹介をしたら、あの子、大喜びでしてよ」
フィラデルフィア「この世界には憎き兄弟も居ませんから、私が人間の願いを叶えることに拘る必要もないのですけど、何となく彼女は気に入ったので、特別に契約をしましたの。彼女には死ぬまで、私に血を捧げる"眷族"になって貰う代わりに、彼女を助けてあげることに致しました」
フィラデルフィア「もう長くない人間を救う方法……それは、その者の代わりとして、未来を生きることに他ならない」
フィラデルフィア「こんな善意で動く、一人の少女の夢になってあげている私を止めるあなた方は、いったい何者なのでしょう?」
フィラデルフィア「彼女を救うため、あなた方を止めて見せましょう」

 戦闘を行う。PCは基本的には全員、戦闘用スクウェアの4-Fが初期位置となる。敵対キャラクターとして、フィラデルフィア、HP1の入院患者×4と灯を4ーB、鳴神+メンターを4-Cに配置する。
最も外側の周囲1スクウェアは、高低差マイナス2レベル。落下した場合、運動判定20に失敗すると20点のHPダメージを受け、進入には10m分の移動力が追加で必要となる。
 フィアの表出モードはワンド、鳴神のモードはカップである。勝利条件はフィラデルフィアの戦闘不能化。

  戦闘で勝利したのち、PCが事後処理を決めると終了。

■崩壊表適用
 崩壊率を参照して、崩壊表を適用を行う。適用の結果に応じて、エンディングの演出を適宜変更するとよい。
 例えば、人間が消滅した場合には、クラスメイトが一人ほど消え去った事にしても良いし、街が消滅した場合には、地図などで描写を行うとよい。

■エンディング・フェーズ:個別エンディングは、展開により変わるため、想定は書いておくものの、基本的にはPCの希望を訊く。
▼パート15:報告
自動登場:PC④ 登場可否:可
解説:事件終息の翌日、PC④が、聖司と会話するパート。
描写:
 霞ヶ関の一角にあるビルの屋上。
聖司「任務の達成、感謝する。魔術テロリストの連中、あっさり壊滅していたとはな」
聖司「無茶苦茶な事件だよ全く……神を呼び出すなんて馬鹿げた事をやってる俺達が言えることでもないがね」
 会話を終えるとパートが終了する。

貴狐「それにしてもお前さん、大丈夫かのう? その身のこと、知っておるぞ」(聖司が「おい馬鹿」と貴狐の頭を叩く)
聖司「すまん、こいつが妙なことを言ったが気にしないでくれ」
聖司「私情でものを語っている余裕があるような世の中じゃないのは俺もよく分かってるからな」

▼パート16:在り得ざる夢
自動登場:PC③ 登場可否:可
解説:
 PC③が、アルバートに事件の顛末の報告を行うパート。
描写:
 場所は、オープニングで登場した、会議室。アルバートは、疲れた顔で待っていた。
アルバート「お疲れ様です、PC③」
アルバート「概ね情報は把握していますが、一応、一連の事件の報告をお願いできますか」
アルバート「なるほど……魔術師だと思っていたものが、まさか吸血姫だったとは」
アルバート「ええ、馬鹿げた話だと思っています。そんなものは実在しないだろうと思う自分が居ないわけではありません」
アルバート「でも、在ってもおかしくはないのかも知れませんね。一般人から見た我々もきっと、"ありえない、夢のような存在"でしょうから」
アルバート「現実は相当に醜いというか、過酷なものです。だからこそ、知らなくていい者にとっては、ただの夢のままであって欲しいと我々は思うわけですよ」
 会話を終えるとパートが終了する。

▼パート17:忘れがたき思いを
自動登場:PC② 登場可否:可
解説:
 PC②が、鳴神と話すパート。基本的に彼は、魔術による記憶消去を受けることになる。(彼は魔術師なので、精神ネットワークの作用により、勝手に記憶修正がなされることはない。)
もし死亡していた場合、学校で「鳴神くん、事故で亡くなったって」「葬式行ったほうがいいのかな」「ははは……」なんて会話が聞こえてくる描写を行うとよい。(一般生徒は記憶修正されているので見たものは全て忘れているし、情報も規制されている。)
描写:
 先と同じ場所。魔術学会。
アルバート「彼は……もはやタガが外れてしまっているようです。まあ、ああいう行動に出たということは学会と敵対するわけですから、後戻りが出来ないのも理解していたのでしょう」
アルバート「だから、大変心苦しくはありますが……」
 廊下から、小柄な青髪の少女――記憶魔術学派・学派長、ニコラ・ウィンスレット(公式NPC参照)が現れる。
ニコラ(ぺこりと頭を下げて)「彼から、魔術に関する一切の記憶を消し去りますので。彼らも魔術師である以上、記憶魔術師が自ら手を下さねば修正は出来ませんので」
ニコラ「魔術師から今まで蓄積してきた魔術を奪うなど殺しに等しいですが、それでも完全封印や殺害よりは幾らかマシですので」
ニコラ「ちなみにこれは、カンナガラの側からの要請でもありますので。こちらとしても、これで丸く収まるなら良いと思いますので」
ニコラ(フィラデルフィアに関する記憶消去に留めることを進言した場合)「彼、また同じことをやりますよ? そうしたらどうするので? また探しに行くので?」
 会話を終えると場面が移り変わる。
 記憶を失った鳴神との学校生活。
 彼はぼーっと窓の外を眺めている。
鳴神「なんだろうな……ふと自分のことを考えていたんだ」
鳴神「笑うなよ? 俺、何も持ってない人間だなって、そんなことをちょっとな」
鳴神「お前はそういうこと考えたことはないのか? 自己の存在価値というかな」
 会話を終えるとパートが終了する。

▼パート18:命を謳う論理
自動登場:PC① 登場可否:可
解説:
 PC①が、灯と話すパート。
 彼女は自らの能力によって、PC①を無理やり、自分を助けさせるように仕向けたと思っているが、オープニングの判定に成功している場合、PC①は、実際にはそうではなく、自らの意志は何ら捻じ曲げられていないことが分かる。
 また、《超越法則》を使用することのみによって、灯の病を無かったことにすることが出来ることをGMは伝えてもよいし、伝えなくともよい。このタイミングで《超越法則》を使用した場合、崩壊表の適用は既に終わっているが、決して世界にダメージを与えていない訳ではない。
描写:
 場所は病室。
灯「本当にありがとうね……助けてくれて」
灯「でも結局、悪いのは私なんだ」
灯「言ってなかったけど、私、あと一年も生きられないんだ」
灯「それで辛くなって、私が望んだせいでフィアが現れた。私が望んだから、あんな事をしちゃった。全部私が悪いんだ」
灯「私、昔から人に頼ってばかりで。でもみんな、こんな迷惑な私に不思議と良くしてくれるから、それで良いやって思ってた」
灯「でもこれって、人の自由を奪ってることになるんだよね」
灯「君だってきっと、私が居なければ、あんな、よく分からない危険な戦いをすることにもならなかった。私が助けを求めてしまったから。君に私を助けさせてしまった」
灯「これからどうしようかな。あと一年、どうやって過ごそう。この体じゃ出来ることも大して無いし、学校にも行けないけどね」
 描写を終えるとシナリオが終了する。

・シナリオが終了した後、記録シートの「経験点計算表」を、GMや他のプレイヤーが評価しつつ埋めていく。なお、「目的を達成した」の経験点は、いずれも10点である。

  • 最終更新:2017-06-14 16:16:10

このWIKIを編集するにはパスワード入力が必要です

認証パスワード