NPC(ノンプレイヤーキャラクター):その他


金枝真名(かなえ・まな)

性別:女 年齢:27 種別:人間
モード:ワンド2/ソード2/カップ2/ダイヤ2(可変)
 長い茶髪の女性。
 制霊医療心理大学の理事長にして、研究機関《ホスピタル》の現所長。それだけでなく、社会の様々な界隈に顔が利き、政界にも影響力があるのではないかと噂されている程の人脈を持つ。
 若くしてそのような人間になったのは、高度な心理制御能力を有していることが理由であり、彼女の其れは、もはや洗脳であり、人格選択にも等しい。実際に彼女は、状況に応じて、百の名前に百の性格、百の雰囲気を使い分けている。しかし多くの場合、汎用性の観点から、柔和で優しげながらも妖艶な雰囲気を纏っている。
 その本質は、徹底的な求道者である。彼女は、「世界などというものは所詮、その者がどう捉えるかによって容易に変化する程度のものでしかない」という考えを重視しており、それを実証し、全てを心理的作用によって内側から支配する事を目論んでいる。
 一応は真人間であるのだが、精神ネットワーク上における自身のあり方を完全に制御できる為、魔術師や、特異能力者、というよりは東岸定理という存在にも気づいており、それらに興味を抱いている。
 社会の保持に関しては今のところ協力的だが、それは「人間を守るため」ではなく、人脈の構築や報酬の為である事が多い。

 彼女を知る魔術師には「魔術師殺し」と恐れられている程の、戦闘用心理操作術の使い手でもあり、心理的影響によって魔術師の意図を歪め、誤った魔術解決を行わせる事で自滅させる能力を持つ他、「心銃」という、精神を射殺する技も使用できる。

「申し訳ありませんが、頼まれては下さいませんか? 勿論、特別手当ては支給しますし、私で良ければ"お相手"致しますわ」

北見沢謙吾(きたみざわ・けんご)

性別:男 年齢:51 種別:人間
モード:ワンド1/ソード2/カップ2/コイン3
 小太りの中年男性。環境局の副局長。
 環境省本省から天下りした高級官僚であり、利権、金回りについて優れた才覚と欲求を持つ。
 局長である合理の方針や環境変異については一切の興味がなく、「国から環境省へ」「環境省から環境局へ」予算と利権をむしり取れるという、ただそれだけのために副局長の座におさまっている。
 金の亡者のような振る舞いをしており、周囲からも概ねそういった認識だが、その実「金で買えない一級の才能」(特に、六実合理のそれ)に対しては最大の敬意を密かにもっている。その為、彼女に対しては全くもって利権の為に仕えている、とも言い難い面がある。
 良くも悪くも一般人的であり、一つを理想を狂気的なまでに貫くような意志は毛頭ないが、政府高官として上手く立ち回れる「社会人的技能」に優れる。
 なお、人々の危機、異能の存在などを知識としては伝えられているが、彼にとっては「それが予算に繋がるか否か」だけが関心ごとである。
 局が請け負った事件を解決できなくても「行動実績」が残ればいいと思っており、末端職員には、「それらしくやったように見える事実」を持ってくるよう求めることもある。

「欲深い? 大いに結構。人間、俗物的な望みの一つや二つ抱えてこそだろう」

彩雲彼岸(さいうん・ひがん)

性別:女 年齢:18 種別:人間/特異能力者
モード:ワンド1/ソード3/カップ1/コイン3
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 少しウェーブのかかった金髪を持つ少女。
 フランス系日本人の設立した犯罪組織「彩雲組」の現組長であり、初代組長の末裔。
 あっけらかんとした性格で笑顔も可愛らしく、裏の顔さえ見せなければ、学校で友達に囲まれていてもおかしくはない。
 しかし、その「裏の顔」は、非常に残虐な組長であり、自身に逆らう者を容赦なく「薬漬け」にして廃人にすることで恐れられている。
 その人物像ゆえに「姿を見たら死を覚悟せよ」という意味で、裏社会では《シャノアール》(”黒猫”の意)の名で呼ばれることが多い。
 一方でカリスマ性も高く、親しみやすさと威厳、組の権威を高める実力を兼ね備えていることから、構成員の信頼が篤い。
 ただ、生まれつき「腐った人間」に囲まれて育ってきたことから、社会に対する不満と同時に、「所詮は世界などこんなものだ」という虚無感も抱えており、そういった諦観から紡がれた「善も悪も要らない、私以外の人間みんなぶっ壊れろ」という理想を抱いている。

 そんな彼女にとっての転機は、組の立場を保全するため、惟神旧態派と、「組の活動を黙認・支援する代わりに自身の力を貸す」契約を持ち込んだ時である。
 その際に、彼女の「利用価値」を見定める為に現れた六堂と対話をしたことで、「”たかが社会”だけを見てるんじゃない、本気で世界を変えようとしてる奴が居る」と気づき、彼に憧れるようになる。
 非常に胡散臭い少女であるため、旧態派内では概ね、利害関係での繋がりだと認識されているが、実際は熱烈な六堂の「ファン」であり、彼への執着はもはや、惟神に近づいた本来の目的以上の協力理由となっている。
 現在は、六堂の理想を達成するため、強かに、かつ出過ぎた杭にならないように注意しながら裏社会を暗躍している。
 
 戦闘においては、時代錯誤なレバーアクションライフルを使用する他、理想から生まれた《汚染》の特異能力を用いて、敵対者を薬漬けにする。
 軽度ならば「認識撹乱」の異能を使用したように見えるが、実際にはもっとおぞましいものであり、度合いを高めれば認識だけでなく、記憶も人格も破壊してしまう。
 そして、まさしく非合法薬物を投与されたかのように肉と骨が爛れて生気を失い、幻覚妄想や嘔吐感、疼痛頭痛に苛まれ、苦しみながら死ぬことになるという、相当にタチの悪い理装である。

「痛い? 苦しい? 気持ち悪い? 止めてほしい? じゃあ止めてあーげない♪ ざんねんでしたぁ」

四条五花(しじょう・いつか)

性別:女 年齢:27 種別:人間
モード:ワンド3/ソード1/カップ2/コイン2
 長い茶髪をポニーテールにしている女性。環境局戦闘技術顧問。
 環境局において「超常的案件に対応出来る免許」、通称「第二種」の取得を目指す職員や、取得済みの者に向け、実践的な戦闘技術を教授している。
 普段はひょうきんで可愛げがあり、ブラックなものも含めて冗談を言うことを好む女性だが、職員を死なせない為に地獄のような訓練メニューを課すことでも知られ、「殉職する前に訓練で死ぬ」と、冗談半分本気半分で言われることもある。
 
 現在でこそ、周囲からは優れた体術を重宝されることが多い彼女だが、幼い頃から多様な分野の学問への適性を見せており、最も得意とする人体力学以外に、生物学、医学、物理学、数学から、20カ国語を操る語学力、心理学、果てには音楽や絵画などの芸術に関する知見も持っている。
 決して、新たな概念を生み出す「天才」ではないが、既存の概念を吸収することにかけては尋常ならざる能力を持つ「秀才」。
 活動に戦闘行為を伴うことがある「第二種」取得職員の為に、これら現代科学の叡智を結集した理論に基づく体術「四条式実戦格闘術」を生み出した。
 これは、効率の良い呼吸法やエネルギーロスを最小にする身体駆動の方法といった基礎的な内容から、合理の能力である「俯瞰視覚」の「貸与」を受けた状態での戦闘技術や、環境局設置法において携帯が認可されている拳銃を併用した逮捕術などを総合的に盛り込んだものである。

 かつては海外で大学教授をしていた。周囲から何かと持ち上げられ、流され、知識を吸収することに励み続けた彼女だが、内心、「今在るものを究めることが出来ても、新しいものを生み出せない」自分に飽いていた。
 そんな中、ある機会に六実合理の目に留まり、引き抜かれる形で環境局入りとなる。
 合理は、彼女の「既存概念を再構成し、実質的に新しいものを生み出す」センスに気づいており、五花は「自分も知らなかった、自分の才能」を見出されることとなった。そのことで彼女に敬意を抱き、単に環境局職員であるということを越えた、個人的忠誠心に基いて合理を助けることを決意する。
 とはいえ、普段は合理にも軽口を叩くことが多い。
 また、どちらかといえば学者肌な彼女と、利権や立場に固執する北見沢謙吾は、合理に対して同じ感情を抱きながらも、互いに仲が良くない。
 

「君ら、絶対に死んじゃダメだからね。あのオヤジはどうでもいいけど、合理がメチャクチャ怒られるから!」

神領烈花(じんりょう・れっか)

性別:女 年齢:150以上 種別:人間/神領
モード:ワンド0/ソード0/カップ6/ダイヤ2
 黒髪ツインテールの女の子。大きな胸と、おっとりした性格の所為か、見た目15歳程度の、小柄で童顔な少女なのにも関わらず、妙に母性が感じられる。
 また、いつも巫女装束を着ているので、街を歩いていると非常に目立つ。
 
 その正体は、神領本家に属しており、同時に《斑鳩機関》最高クラスの戦力にもなっている者である。
 神領の血に宿った秘術を使いこなす他、《斑鳩法》に関しては、彼女程に熟達させた者はいないとされるほどに極めている。
 それ以上に彼女を、特別な家系の中でも一際特別にさせているのは、二つの《特異》を有しているということにある。
 一つ目は特異武装、《託宣》で、「直後には、こうなっていたい」という望みを入力することで、それを実現する為の動作を、未来視の形で返すものである。
 二つ目が特異能力、《絶対的恒常性》で、これにより烈花は自身の身体の成長を止めている他、腕を吹き飛ばされてもすぐに再生する程の回復力を実現している。
 これによって、烈花は少なくとも明治時代より前から生き続けている。
 もっとも、烈花や彼女の周囲の者は、これら二つを《特異》としてではなく、"神の与えた、新たなる力"として認識している。その様な認識故に、烈花はこれらの《特異》を行使し、戦闘を終えた後に、代償行為として必ず自慰をしている。
 それらが世界を壊しうる力であることも直感により理解しているが、敵を殲滅するために利用するのに、躊躇いはない。そんな彼女が実際に多くの"排除すべき者"を殲滅している点を、東岸定理は評価しており、烈花の存在を黙認している。
 実績があることからも分かるように、普段はおっとりしていても戦闘中には一切の容赦をしない。

 単純に戦力としてのレベルの高さが認められている以上に、彼女が生きて子供を作り続けることで血の断絶防止に貢献しているため、神領家では高い発言力を持つ。
 家系内の誰よりも寛容な性格で、自身がかつて一般人との間に子を生したことから、こと恋愛に関してはオープンであるべきだと考えている。
 ひ孫の一人である神領神奈(-かな)とは特に仲が良く、様々な面において教えを与えている。
 なお、《特異》の行使能力は烈花に限るもので、成長を止められるのも彼女だけであるため、既に、端から見れば烈花が妹で神奈が姉の姉妹に見える程になっている。

 現在は、櫻岡市郊外に居を構えており、ひ孫でありながら弟子でもある神奈の育成に励みつつも、この地域周辺の斑鳩機関組織員の統括を行っている。

「戦いとは、殺し合いです。そこに遊び心など要りません。ですから……早く諦めて逃走しなければ、死にますよ」

染井芳乃(そめい・よしの)

性別:女 年齢:16 種別:人間/一般
モード:ワンド0/ソード1/カップ5/ダイヤ2
 桃色の髪をツインテールにしている事の多い女の子。
 市立櫻岡高等学校2年生であり、級長を務めている。
 面倒見が良く、誰とでも平等に接し、しかも美少女であるため、人気者である。
 クラスの級長を任されており、誰が出席していないかを常に把握している。
 成績も"真人間の中では"最優秀であり、運動はあまり得意ではないものの、積極的に参加しているため、そちらの面でも幾らか高い評価を得ている。
 一般人とはかけ離れているレベルで「良い子」だが、正真正銘の「普通の人」であり、何らかの特別性は見られない。

「自分の事を"価値が無い"だなんて思わないで欲しいな。そう思ってない人はいっぱい居る筈だよ。ここにも一人居るし、ね?」

東岸定理(とうぎし・ていり)

性別:女 年齢:16? 種別:特異存在
モード:ワンド3/ソード5/カップ0/ダイヤ0
 櫻岡市郊外の、東岸家の屋敷に住まう少女。黒髪ロングで、背は低い。ロリ体型。
 数学と煎餅が好き。
 櫻岡市内の高等学校、市立櫻岡高等学校2年の生徒でもある。クールな雰囲気だが、意外と短気で、わりとすぐに怒る。
 平凡な高校である櫻岡高校では持て余す程に優秀な生徒であり、"何故ここに居るのか"を、他の生徒どころか教師にまで疑問視されている。
 存在そのものが例外であるかのように、非常に強力な"特別性"を持っているが、何故か、自ら戦おうとはしない。
 《特異》という概念や、世界がどの様に成り立っているかを定めた少女でもある。特異能力に目覚めた者は、多くの場合、彼女からの接触を受け、導かれることとなる。何を目的としてそんな事をするのかは不明だが、発言の節々から、「世界を守りたい」という意図が見え隠れしている。
 数理魔術の理論に特異能力を組み合わせ、次元に干渉できるようにした《演算》を用いる他、東岸背理が扱う《理想剣》には及ばないものの、大抵の特異武装をそれなりに扱うことが出来る。また、《死殺》を可能とする。

 その実、彼女は特異存在の中でも、最も例外的な存在である。
 東岸愛理の意思を《アズ・リアル》に直接反映するための存在であるが、しかしそれ故に「あまりにも特異すぎる」ため、積極的に能力を振るうことが出来ないでいる。幸い、高度な能力と、世界や自己への正しい認識を有しているため、「何もしなくても世界が壊れる」という事は回避している。しかし、彼女がそれを怠り、全力で行動を行えば、簡単に世界が崩れてしまう。とはいえ、彼女が「自身から動こうとしない」のには、単に「そうすると世界にダメージを与えるから」というだけではなく、しばしば何かを試すような態度を取るあたり、何らかの意図があるようにも見える。
 特異存在であり、根本的に人間と同一の価値観を有していないため、いかなる環境にあっても、彼女は常に独りである。

 見た目は16歳程度だが、非常に長生きしている。とはいえ、何らかの動きを見せ始めたのは近年であり、把握している範囲での特異能力覚醒者に接触し、それが危険な力であることを説明する一方で、非特異能力者に接触し、場合によっては対象者が追い込まれるような状況を作ることで、意図的に特異能力に覚醒させるという、不可解な行動を取ることもある。

 世界を崩壊させない為に自身を世界へと適応させているため、強力な特異存在ではあるものの、法則結界を生じさせていない。しかし、《演算》の一環である、次元シフト術式を用いることで、あらゆる攻撃を回避する事が出来る。

「大丈夫よ、私は"確率の空《プロバビリティスカイ》"を、この世界を守るわ。何を犠牲にしてでも」

東岸背理(とうぎし・はいり)

性別:女 年齢:16 種別:人間/特異能力者
モード:ワンド5/ソード3/カップ0/ダイヤ0
 東岸家の娘であり、東岸定理の妹。姉に比べると程よく背丈があり、スタイルの良い女の子。茶髪のセミロング。
 妹だが、姉と同じく、櫻岡高校の2年生。何に関してもそつなくこなし、学校内ではクールというか「近づき難いヤツ」に見られて浮いている姉と比べると、明るい性格であるため、比較的、人付き合いも有る。但し、彼女の明るさとは、「滑稽であること」でもなければ「他人に迎合すること」でもなく、自身に圧倒的な自信を持ち、そして自信に見合うだけのスペックを持っているが故の「遠慮の無さ」である。その為、好きな人間にはかなり好かれているが、嫌いな人間にはかなり本気で嫌われている。
 普段から、病的な程に「正しさ」に拘り、且つ、自身の正しさに確信を持っている。その為、曲がった事が許せず、虐め等の犯罪行為を見過ごせない、正義の女の子。
 意外と、ゲームとか、可愛いもの(女の子)が好き。

 東岸定理の妹であり、東岸家の娘であり、そして定理以外で、最もそれらの創造主の性が現れた存在でもあるため、特異存在ではないものの、非常に強力な特異能力を有している。
 彼女は、自身の特異能力によって、特異武装の一種であり、既知の概念の中では最強の特異武装である《理想剣》を、まるで「それを使うために生まれてきた」という程に、誰よりも上手く扱える。これは、「事象と事象の関連性を切断することで、あらゆる矛盾を、望むように世界に容認させる」というものであり、この能力を応用して、彼女も《死殺》を行うことが出来る。
 (魔術やその他の能力ではなく)特異能力しか使えないが故に、その力を絶対視している。

「普通の人は、もしあんたが何人かの一般人を救う為に殺人鬼を殺したのなら、いくら殺人鬼だろうが、それを"殺人"と考えるだろうね。でも、私は違う。普通に生きる人間達の為に、殺人鬼という"より程度の低い命"が犠牲になるというのは、"正義"という名の、在るべき摂理なんだ」

鳴神六堂(なるかみ・ろくどう)

性別:男 年齢:124 種別:特異存在/惟神/魔術師
モード:ワンド2/ソード3/カップ0/ダイヤ3
 長身痩躯で、黒髪を短くしている男性。かつての大日本帝国陸軍将校の軍服・軍帽・外套という時代錯誤な服装に、生来の色白さと異様に鋭い眼光が相俟って、幽鬼を思わせるような姿をしている。
 外見は20代後半程度だが、実年齢は124歳にもなる。
 見た目通りの冷静さ、冷酷さを持ち、目的の為には手段を選ばないが、自らの掲げた目的には熱意を持っている。
 世界秩序の究極的な保全の為、世界の観測者である神を自ら創り出し、人間に「人生の筋書き」とも表現できる、明確な運命を与えるという、ある種の、管理された世界を作り出そうとしている。
 また、かつての惟神を掌握し、導いた人物でもある。
 過去に一度、肉体的には死亡しているが、概念的存在と化して、現在も、形を変えた惟神への一定の影響力を維持しつつ、目標の達成を狙っている。
 福羽聖司の曽祖父にあたるが、彼は、主義思想の対立、また、「六堂が、自身の曽祖母である福羽美鈴(ふくば・みすず)を、都合の良い方向に唆した」と考えていることから、六堂に対して敵意を抱いている。
 なお、実際には、美鈴は、自らの意志で六堂と共に道を歩んでいる。

 古くより古典的術法を継承してきた『妙神会』の生まれであるが、本来、妙神会の血筋において、男児に術師は生まれない筈であったため、妙神会から、表社会の名家である鳴神家へと移された。
 大正時代において、異能の類が現実に存在しているのを、その身を以って知っている者として、現代社会の拙さ、世界の不安定さに危機感を覚えた彼は、神秘が表社会から隔離されることを否定し、国家権力と結びつき、積極的に技術として活用する道を模索する。
 やがて士官学校に入り、帝国陸軍に所属することとなった。そして、将校の洗脳なども含む、表裏の手を尽くして、自らの影響力を高めていく。
 陸軍少佐(実際には、それ以上の影響力を持つ)として、魔術や呪術などの特別性に関する諜報や工作を専門とする、特務第カ号超力部隊を立案し、その指揮官となった。
 しかし、かつての惟神であるところの神祇省が執り、そして失敗した、”帝国国民の信仰を、神道における「神」に集中させることで、帝国の力を高め、世界の覇権を握らせる”という方法には限界があると感じ、世界秩序を安定させられるだけの、より強力な神を創造することを視野に入れるようになった。
 ある事件の際、当時はまだ設立したばかりであり、「神の創造」、即ち、《神性顕現》の実現はおろか、組織的にも纏まりのなかった惟神に取り入ることとなる。
 そして、神祇省における重要人物の養子であることを理由に惟神の組織統括者となったものの、実質的には「お飾り」であった、福羽美鈴という大人しい娘に近づき、彼女を組織の傀儡の立場から解放すると共に、惟神の中でも、自身や美鈴に迎合せず、特に有用でもない組織員達を粛清した。
 こうして惟神の実権を握り、やがて、現在用いられているところの《神性顕現》を完成させるに至った彼だが、十年後の戦闘により死亡。
 その後、惟神では、第二次世界大戦の終結から、幾らかの時間をかけて、時代に合わせた刷新が行われ始めたものの、六堂という存在が完全には消滅していない事から、未だに一枚岩とは言えない状態である。

「私は、私が為すべきと定めた道に従っている」

福羽聖司(ふくば・せいじ)

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性別:男 年齢:29 種別:人間/惟神
モード:ワンド1/ソード3/カップ1/ダイヤ3
 少し長めに黒髪を伸ばした、細身な男性。
 惟神に所属している高官であり、実戦も一応は行えるが、どちらかといえば裏方の仕事を行うことが多い。
 軽薄そうな態度を取ることの多い男であり、わざと、見る者に自分を信用させないようにしている風にすら感じられる。
 《神性顕現》を用いることで、貴狐天皇に相当する神性を顕現させている。其れは、いわゆる「狐耳」を有する少女の形で顕現されている為、一般人は、彼女を「コスプレ少女」という形で認識する事が出来るのだが、そのお陰で、しばしば、あらぬ誤解を受けている。彼女とは、「誰の呼び出しにも答えるクソビッチ」だの「幼女に手を出してそうな変態」だの、よく互いに罵り合っているが、決して仲が悪い訳ではない。
 人格に問題があるように見えるが、仕事はしっかりこなすタイプであり、組織内での発言力はある程度には高い。
 彼自身、「日本人が日本人で在り続けること」を尊重したいと考えている。一方で、かつての神祇省や、旧来の惟神のように、極端な国家主義を有してはおらず、日本――というよりもむしろ、日本人にとって実益の無い排他・侵略・破壊的意思を厭う為、少なくとも彼自身は、他の組織へ、不必要に敵意を見せることはしない。
 曾祖母の福羽美鈴は、設立当初の惟神の統括者であり、組織を、国家主義に傾倒する方向に纏め上げた人物とされるが、彼自身は、それは美鈴自身の思惑ではなく、彼女の夫とされる鳴神六堂に唆された結果だと考えている。
 その為、公には死亡したとされるものの、未だに惟神への影響力を有している六堂および、彼の影響下にあり、従来の惟神の思想を有している旧態派には、私怨を含む敵意を抱いており、組織からの排斥を目論んでいる。

「時代錯誤な年寄りが幾ら騒いでようが、耳を傾ける価値なんて無いのさ。アイツらが喚いてる最中にも、着実に社会は壊されていってるんだから。まあ、俺達が偉そうな事を言えるもんでもねぇが」

六実合理(むつみ・あいり)

性別:女 年齢:26 種別:人間/特異能力者
モード:ワンド1/ソード4/カップ1/コイン2
 肩の高さより少し長い黒髪を伸ばし、眼鏡をかけた女性であり(東岸定理を成長させたような外見)、謎の多い環境局のトップ。
 環境局の発案者であり、「世界が知らぬ間に変異している」事を厚生労働省、気象庁、海外機関などと協力した多数のデータから証明し、2001年の省庁改変時に特別局を開設する旨をねじ込んだ。(但し、一般人にはこれらの不条理を観測・検証することが出来ないため、これらのデータは、上を納得させて活動可能な立場と資金を得るための、「世界には科学と常識では捉えられない不条理が存在する」といったことを証明する段階のものである。)
 その後も「1999年に起きた、集団心理による相互脳干渉が現実改変の錯覚を与えた事例」の実証など、膨大なデータを基にした研究報告書によって、局の存続を維持している天才。
 環境局が行動論拠とする「環境変異」の前触れ、形跡を察知できる唯一の存在であり、各調査命令は元をただせばすべて彼女個人から発しているが、ほとんどの職員がそれを知らない。
 
 その正体は、強力な異能者を輩出している東岸の家系から何者かが作り出したデッドコピーであり、表向きは「東岸家」とされてはいないものの、血統的な繋がりがある。
「六合」の理――すなわち、世界の理の名を冠する存在であり、「今の世界がどうあるか」を俯瞰する能力を持つ。
 これによって魔術や特異などによる現実改変を察知している。
 また、一般大衆の中心規範である「科学」を根拠とすることで、あらゆる魔術、異能を世界の公式なルールとして取り込んでしまう、「特異殺しの特異」を持つ。この力によって、彼女の前では、魔術や特異といった不条理は、解析可能、対処可能な「条理に拘束された」存在に堕することとなる。
 基本的に前線に出ることはなく、副局長の北見沢謙吾を通じて、局員に指示を出すに留まっているが、いざ交戦することとなれば、生半可な能力者では彼女の押し付ける「常識」に絡め取られ、分析され、対策され、「至って当たり前の方法」で排除されてしまうだろう。

「Q.E.F.……証明終了です。これこそが、私のなすべきこと」


零名(れいな)

性別:女 年齢:15 種別:人間/始原識能力者/特異能力者
モード:ワンド1/ソード2/カップ3/ダイヤ2
 色素が抜けかけた髪を伸ばしっぱなしにしている、病的なまでに華奢な少女。両脚を欠損している。
 インターネット上で、しばしばその存在を噂される情報屋。"満足いくまで自身と会話すること"を対価として、あらゆる情報を収集する。どのようにして行っているのかは謎だが、状況次第では、各国政府の機密情報から個人の感情、果てには"彼方側"、即ち、魔術や特異等によって常識を異とする者達に関する情報すらも仕入れる事がある。ただし、同じ人間の依頼は一度しか聞かない。
 パソコンやゲーム機等で埋め尽くされた狭苦しいマンションの一室で一人暮らしをしている。
 排尿をペットボトルに行う程に、動くことを嫌がる重度な引きこもりだが、他者と接するのを苦手とするという訳ではなく、むしろ饒舌な部類である。

 正体は、始原識能力者にして、特異を宿している存在。
 始原識《接続》を有して生まれた事から、生まれつき、他人と共感しすぎる性質を持っており、それはいつしか「読心」の域にまで達していた。
 その事から、悪意に対して過度に敏感になり、警戒心の強い少女に育つ。
 ただしそれまでは、天性の陽気さによって、傷つきながらも何とか居場所を確保していた。
 しかしある日、特異による精神侵食によって発狂した暴漢に襲われて脚を傷つけられる等の暴行を受けたことから、他人との接触を厭うようになり、家族からも距離を置いて、一人暮らしするようになる。

 始原識の顕現として、精神ネットワークを渡り歩く力を持っており、直接会ったことすらない他人の無意識にバックドアを仕掛けて、そこから思考や感覚・記憶・知識を盗聴することが出来る。その他、精神ネットワークを介して、他人に自身の幻影を見せることが出来る(幻影には脚がある)。なお、この能力の性質上、「誰も知らないこと」は知り得ないし、精神ネットワークからの断絶が甚大である者の思考を盗むことも出来ない。
 また、脚を失った後の混乱の最中で、「人を信じたくても信じられない」という葛藤の過程で思考が逸脱したことによって、「意味」を操る論理武装《意装(オーバーロード)》に覚醒している。
 これは、予め自身の思考に保有している「定義」を対象に付加することで、「新たな意味」を与えるという力である。
 例えば、「一定領域内の雨」に「触れたものを貫くもの」という意味を与えれば、それは殺戮兵器と化す。ただし、パラメータの調整を間違えると、重力に従って、地殻なども打ち抜いてしまうので注意が必要となる。
 定理から"生きていたいのなら無闇に特異を振るわないように"と、念を押されたことがあるため、彼女自身はこの力を戦闘には使おうとせず、もっぱらコンピュータの計算能力の向上やゲームでのチートに使う等、ごく局所的で、世界に影響を及ぼさない範囲で使うのみである。

 "他人と繋がること"に強く執着しており、他人を信じたいがために、その人間の全てを知りたがる。
 情報屋を始めたのもその為であり、依頼主と会話するのは、その人間と「会話」という形で接触することで、より完全な情報取得を行うためである。
 
 なお、「零名」は本名ではない。「自分が何であるか」を悟られることを酷く嫌うため、本名を名乗ることはない。
 
「ほら、言うだけならタダだよ。今度の定期テストの問題? それとも、キミの好きな娘が今日穿いてたパンツの色? キミは、ボクから何が知りたいの?」

枠内白亜(わくうち・はくあ)

性別:女 年齢:27 種別:人間/一般
モード:ワンド1/ソード1/カップ4/ダイヤ2
 金髪をポニーテールにした女性。
 市立櫻岡高等学校の教師であり、染井芳乃のクラスの担任をしている。担当は社会系科目。
 良く言えば明るい、悪く言えば馴れ馴れしい性格であり、冗談もよく言う。
 何事もテキトーに流す、大雑把な性格に見えるが、仕事はちゃんとこなすし、生徒の面倒見も良いため、それなりに好かれている。
 夢――彼女の言う"夢"とは、単に"希望する進路"に留まらず、もっと広い意味である――を持つことへの拘りが強く、生徒にも、よくそれを説いている。それ故か、生徒の自主性を尊重しており、枠にとらえることを好まない。
 天璃(あまり)という、年の離れた妹が居り、彼女の事を溺愛している。

 《狩猟者の剣》のメンバーの一人である、チェルシー=イングリッドの対存在であり、妹はアマリア=シュロスシュタットの対存在であるが、白亜や天璃は何ら特別性に接触することなく、そこそこ幸せに、一般人として生きている。

「キミはちょっと気張りすぎだって。まだ学生なんだから、もっと気楽にしてて良いんだよ。何だったら、先生に頼ってくれていいんだからね?」

  • 最終更新:2017-09-19 22:45:54

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